日本ユニシス、インターネット情報基盤を進化させる新コンセプト発表

日本ユニシスは、NGEM(Next-Generation Enterprise Middleware)と呼ばれる情報システム基盤を展開することを明らかにした

» 2004年08月24日 18時11分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本ユニシスは8月24日、都内にある同社の本社で記者向けのブリーフィングを行い、NGEM(Next-Generation Enterprise Middleware)と呼ばれる情報システム基盤を展開することを明らかにした。これは、場所や時間などの制約を超えてインターネットにつながる環境において、ネットワークで発生するデータと、基幹システムや日常で使う情報家電や携帯電話で扱うデータの間に特別なレイヤーを介することで、両者を連携させ、統合的に管理しようとするコンセプト。

 結果的に、エンドユーザーやビジネスユーザーが、複数のシステム間の違いを意識することなく、コンピューティング環境を利用できるようになるとしている。

 同社の先端技術企画部の秋山功氏は、現在のインターネットやイントラネット環境について、「データがシステムごとに個別の手法で管理されているため、再利用やデバイス間の連携が難しい」と話す。例えば、携帯電話の住所録が、そのままパソコンや情報家電で活用しづらいことなどが1つのケースとして挙げられる。

データの混沌状態を整理する

 同氏は、今後、ネットワーク環境を進展させるときにぶつかる障壁として、多様なデバイスやアプリケーションをどのように管理するか、セキュリティを確保できるか、システムを迅速に開発できるか、ビジネスの進化に対応できるかといった事柄を指摘する。ネットワーク上に溢れる大量のデータを、いかに効率的に管理できるかがテーマになる。

 そのために、ネットワーク上で発生するデータを「共通語」に変換し、種類の異なるさまざまなシステム間で統合的に連携するための基盤が、この日同社が発表したNGEMの機能の1つとなる。

 具体的にNGEMが行う機能としては、データの洪水を整理するために、メタデータ(データの形式や意味を表す情報)の管理やデータのグループ化や関連付け、リソースの物理的な位置の仮想化、データの時系列の蓄積、IPv6の活用、アプリケーション間の疎結合化などが挙げられた。

 これを整理すると4つの基盤に分かれる。ネットワークの下位から順に、セキュアな通信環境や自律的システム管理を実現させる「分散コンピューティング基盤」、メタ情報や大量データの管理を行う「リソースアクセス基盤」、サイバー空間へのマッピングを行う「サイバーコンピューティング基盤」、アプリケーションを有効に稼動させるための「共通サービス群」の4つだ。

 この日は、NGEMのコンセプトの発表がメイン。NGEMは、産学官連携プロジェクトやオープンソースコミュニティの中で、ユニシス以外の企業や団体と協働して行うという。12月には、具体的な動きの第一弾として、エンティティ操作を中心とする基本機能をオープンソース版としてリリースする予定としている。

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