中古コンピュータ再販業者、機密データ漏洩チェックに費用請求

» 2004年08月26日 10時30分 公開
[IDG Japan]
IDG

 旧式のコンピュータ機器を扱う再販業者は、機密データ漏えいの責任を免れるため、HDDデータの消去費用なしでは、中古機器を買い取らないようにする考えだ。

 中古IT機器を再販するWindsorTechのマーク・シャーマン会長兼CEOは、中古コンピュータ機器の基本チェック費用として一律8.75ドル、容量に応じたHDDデータの消去費用10〜30ドルを企業に課している。

 「当社はデータセキュリティが重要な業界に参入してきている。今では当社の損失が完全に補償されない限り、機器の買い取りに乗り気にはなれない状況だ。われわれは非常に危険な状況に置かれている」

 ハイテク機器の再販に伴うデータ漏えいの法的責任について、データを生んだ企業が正面から向かい合うべきだと法律事務所Burger, Trailor & Farmerのアラン・バーガー弁護士は指摘する。「再販業者との契約によってリスクを移すことはできない」

 バーガー氏は、ここ3年間でHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)や米国金融制度改革法(グラム・リーチ・ブライリー法)などの多数の法律が施行されたため、データセキュリティや情報プライバシーをめぐる問題意識が高まっていると見る。

 データ保護をめぐる重要性を示す例として、2003年1月には保険証券17万6000件のデータを収めたHDDが盗まれた。

 カリフォルニア州ではこうした事件に対応する目的で、新法を採択。今月施行された同法では、カリフォルニア住民の情報を保存する企業に対して、セキュリティが破られてデータ漏えいにつながる恐れがある場合、48時間以内に公に発表するよう義務付けている。

 WindsorTechのシャーマン氏は、「こうした規制によって、われわれの(データ消去に費用を課す)ビジネスモデルが正当化されているのだ」と話している。

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