7分で分かる8月のBlog界dev blog/CMS(2/2 ページ)

» 2004年09月03日 04時06分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 「はてなダイアリー」では、QRコードを含む自動タグ付加を追加したり(8月24日既報)、RSSを容易に取り込む「rssモジュール」公開するなど(8月25日既報)、新機能を取り入れている。ただ、8月中旬くらいに、一部ユーザー(とその成りすまし? )によるトラックバックスパムが話題になり、「はてなダイアリー日記」へのコメントがその話題で膨大に脹れ上がるなどといった異常事態も見られた。結局、問題となったユーザーがいなくなることで解消したようだが、先のコメントスパムと同様に、トラックバックとは何かを考えさせられる事件だった。

 7月に長期のサービスダウンが発生してしまった「JUGEM」では、8月2日にテキスト形式でのデータエクスポート機能が追加された(8月4日既報)。これで、バックアップ保存することが可能になる。ただし、あくまでも記事のダウンロードのみ。コメントやトラックバックデータなどはダウンロードできず、今後の機能拡張が待たれる。しかし、それ以前に8月26日のサーバ増設後も表示が遅い状態が続くなど不安定要素を残しており、一刻も早い安定化が望まれる(なお、9月2日現在では、安定化を最優先させるため、ユーザーの新既登録を一時停止している)。

新サービスへも注目、ケータイ対応はMSN参入で一挙に火がついたのか?

 そのJUGEMからのユーザー取り込みも図っていた「Seesaaブログ」を提供しているシーサーは、トラックバックで応募するというBlogを応用した懸賞サイト「Seesaaプレゼント」を新たに開設した(8月3日既報)。当初はSeesaaブログユーザーに限られた応募も、ほかのBlogユーザーからも応募できるようにしている(8月6日既報)。このサービスは、Blogのビジネススタイルの可能性を広げることになるだろうか。注目したい。

 Seesaaブログではこのほか、ダイエットログ記録機能という新たな試みを開始している(8月11日既報)。目標体重、現在の身長、朝晩の体重、体脂肪、体調を入力するだけで、BMI値(Body Mass Index:世界共通の肥満度を示す指標。標準値は 22.0 とされる)、標準体重を算出できる。さらにダイエットを開始してからの変化や、日々の食事の記録もでき、日々ためたログをグラフにして公開することが可能というものだ。ダイエット日記を付けるユーザーも多く、この機能追加によってより簡単に記録を付けることができるようになった。

 楽天が提供する「楽天広場」は、8月3日にデザイン機能を大幅に拡張させた(7月30日既報)

 「goo BLOG」では8月30日に、記事本文のほかコメントにも利用できる絵文字機能が追加された(9月1日既報)

 NTTデータが提供する「Doblog」は、まだ正式版サービスをスタートさせていないが、GPSケータイの位置情報をBlogに連携させた(8月23日既報)

 また、グローバルメディアオンラインのBlogサービス「ヤプログ」は、7月21日開始予定から延期されていたケータイ投稿機能を8月26日にスタートさせた(8月27日既報)。同時に、「祝 携帯対応まつり」というイベントも開催している。

 アイビィ・コミュニケーションズとファンコミュニケーションズが提供しているBlogポータル「BlogPeople」は、8月25日に報じたように、トラックバック機能を応用した「BlogPeople トラックバック・ピープル」を開始した。

コミュニケーションの活性化がキーワード

 ISP系のBlogサービスにも、いくつかの動きがあった。いずれも、ひとつのキーワードとしてコミュニケーションの活性化が挙げられている。

 ニフティの「ココログ」では、検索キーワードランキング「瞬!ワード」をRSS配信したり、ココログで掲載できるHTMLの配布も開始した(8月6日既報)

 NTT(OCN)の「ブログ人」では、gooの検索へと連携した「ブログ人検索」を8月24日からスタートさせている(8月26日既報)。検索結果をRSS配信しているため、いろいろと面白い使い方ができそうだ。

 AOLの「AOLダイアリー」は、8月31日に報じたように、RSS配信やお知らせ機能を追加し、他のBlogサービスと比べていささか物足りなかった機能が補足されたことになる。

企業でのBlog利用に注目が集まる、Content Management Forum 2004開催も影響

 法人向けBlogに関しても、動きがあった。

 Movable Type日本版を提供しているシックス・アパートが8月5日、日立製作所の情報・通信グループとの連携を強化し、Movable TypeやTypePadを利用した企業Blogの導入を推進すると発表したのだ。これは、外部に向けたBlogではなく、社内情報共有のためMovable TypeなどのBlogツールの供給するというもの。Blogを、外に向けたものだけでなく内部の情報管理にも使っていくというのは、新しい形かもしれない。今後に注目だ。

 最後に、主なBlogツールについても振り返ってみたい。

 Blogの定番ツール「Movable Type」は、米Six Apart一般向けの3.1が、8月31日についにリリースされた(9月1日既報)。日本語版のリリースは米国リリース後45日以内ということから、遅くとも10月半ばまでにリリースされるはずだ。

 CMSツール「XOOPS」はバージョン2.0.7.1をリリースした(8月26日既報)。今回のリリースはバグ修正であり、バージョン2.0.7以下を使用中のユーザーはアップグレードするよう推奨している。一方、CMSツールとしてXOOPSと並ぶ「Zope」が、オープンソース・ジャパンの関連会社としてゾープ・ジャパン設立に至ったのも興味深い(関連記事)

 国産のBlogツールにもいくつか動きがあった。

 「Blogn」は8月9日に報じたように、Safari対応バージョンを公開、8月27日には大幅な仕様変更を施した1.7.0を公開した(8月30日既報)

 また、「sb」は、ベータ版を公開してからおよそ2ヶ月半経った8月31日に、満を持して正式版1.00Rをリリースした(8月31日既報)

 「a-Blog」は、8月10日に報じた通りバージョン1.0b9を、8月28日はバージョン1.0b10をリリースしている(8月30日既報)

 デスクトップからBlog記事更新と編集可能なツール「ubicast Blogger」は、8月24日に報じたように、「Seesaaブログ」に対応したバージョンを公開した。しかも、今回の対応では、記事の投稿のみならず会員登録やログインすらも可能になっているのが特徴だ。

 ネットドリーマーズは、CMSツール「Contents Manager」及び「File Manager」を含む5つのソフトウェアで構成されている「4Less Internet」のVersion 2.0を8月3日から出荷開始した(8月4日既報)。今回のバージョンアップは、セキュリティとユーザビリティの向上にあるといい、Webとケータイに最適化されている。

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