マクロメディアは、Flashの開発経験がなくてもXMLの知識をベースにFlashベースのUIを自動で生成できる「Macromedia Flex 1.5日本語版」を発表した。
マクロメディアは9月8日、Flashの開発経験がなくてもXMLの知識をベースにFlashベースのUIを自動で生成できる「Macromedia Flex 1.5日本語版」を発表した。既存のビジネス層やインテグレーション層に一切手を加えることなく、プレゼンテーション層を強化する製品といえる。例えばこちらのサイトでは、写真を製本するサービスを展開しているが、画像の選択などのUI部分にFlexが利用されている。
Macromedia Flexはリッチインターネットアプリケーション(RIA)と呼ばれるリッチクライアントを用いたWebアプリケーションの開発と運用を容易にするエンタープライズ向けソフトウェア。野村総合研究所などの調査では、日本におけるRIAは現場でのニーズが増えており、2006年にはファットクライアントを抑え、HTMLクライアントと並ぶと予想されている。
FlexではJSP、ASP/ASP.NETと同様、アプリケーションのソースコードを記述したテキストファイルをサーバへ配置し、そのファイルへのリクエストが初めて発生した際にコードがサーバ上でコンパイルされ、その後のリクエストに対してはキャッシュから提供される。また、Flexアプリケーションはクライアント側で発生するエンドユーザーのアクションに応じて、必要な場所と場合のみに限りサーバーとのデータ交信を行うため、サーバへの負荷を抑えることが可能だとしている。
Flexアプリケーションフレームワークは、MXML(Macromedia Flex Markup Language)とActionScript 2.0、Flexクラスライブラリによって構成される。MXMLはアプリケーションのユーザーインターフェイス要素を宣言的に定義する際に使用し、クライアントロジックや手続き型コントロールの記述にはActionScript 2.0を使用する。つまり、拡張可能なUIコンポーネントとMXMLを利用してUIを作成し、各種手続きロジック部分はActionScriptを利用して記述するわけだ。
MXMLはHTML同様、各種機能やコンテンツを提供するUI部分を記述するためのマークアップ言語。ただし、HTMLと異なり、UIとサーバサイドデータ間のバインディングや、プレゼンテーション層ロジックの抽象化を可能にする。つまりMXMLでは、プレゼンテーションロジックとビジネスロジックを明確に分離することで、生産性の向上とアプリケーション再利用性を実現しているといえる。
FlexクラスライブラリにはFlexコンポーネント、マネージャー、およびビヘイビアが含まれる。また、Flexのコンポーネントベース開発モデルでは、既製コンポーネントを組み込むことや、新規コンポーネントのカスタム作成、さらには複数の既製コンポーネントを組み合わせた複合コンポーネントを使用可能となっている。
サポートOSはWindows 2000 Server/Windows XP/Windows 2003/Red Hat Enterprise Linux AS/Solaris/AIX、サポートするアプリケーションサーバには新しくOracle10gやFujitsu Interstage 6などが追加された。
価格は2CPUライセンス(Macromedia Flex Builder英語版5ライセンス、12カ月のメンテナンス、JRun、サポートを含む)で157万5000円。サポートの更新は年額26万2500円。評価用に60日間無償トライアル版も間もなく登場予定。
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