次期ASP.NET 2.0の目指すものは、サイト構築を支える開発だけでなく、運用、管理までも容易なプログラミングモデルで確立させることだ。ビジネスニーズに則した機能としてナビゲーションやパーソナライズなど、ユーザーにリッチな機能を提供する。
国内開催10周年の「Microsoft Tech・Ed 2004 Yokohama」3日目、テクノロジーセッション聴講に多数の来場者が足を運んでいる。今期は、より具体的な内容を望むニーズに向け多数のハンズオンセッションを用意し、毎朝9時前にはキャンセル待ちの事前申込者が列になっている。
午前のセッションでマイクロソフト、デベロッパーマーケティング本部、デベロッパーエバンジェリストの近藤和彦氏からは、「ASP.NET 2.0」についての概要が講演された。
ASP.NET 2.0は、現行ASP.NETからよりコストパフォーマンスの向上を目指し、サイト上の仕組みをコントロールするための「マスターページ」「Webパーツ」「データアクセス」機能などを搭載する。また、ページ閲覧をするユーザーに対し、リッチな機能を提供できるよう、パーソナライズ機能なども新たな採用だ。
ASP.NET 2.0の開発テーマは、生産性、管理性、拡張性、パフォーマンス、それぞれの向上であると近藤氏は語り、サンプルで具体的な事例を示し、ひも説いていった。
新機能について近藤氏からは、「マスターページ」を始めとする幾つかが挙げられた。マスターページは、Webサイト上のヘッダなどを共通化し、これまでのユーザーコントロールによる実現を一歩進めた形で実現するもの。ページの共有部分を部品化し、容易な変更を可能とする。
また、予約済みの名称themesフォルダ下にスキンファイル(.skin)やCSSファイルを個々に用意し、サイトの見栄えを整える「テーマ」にも触れた。柔軟にサイト全体の見栄えを変更する手段として提供されるものだ。
また、「データソースコントロール」についても詳しいデモを交え、解説が行われた。データストアから抽出しダイナミックにページ構成可能なこの機能は、現行のDataGridとは異なる「GridView」としての搭載となる。XMLやSQLをデータソースとしてSqlDataSourceコントロールを実現し、抽出だけならばそれほどの効果は見出せない。
しかし、GridViewの強みは、「ページングやソートが必要な場合、DataGridではコーディングを必要としていたものがプログラミングレスで実現可能な点」と近藤氏。より実際のビジネスシナリオに沿った実装が容易となる点を強調した。
「サイトナビゲーション」表示をプログラミングレスで実現する点も強調された。大規模になった際にいっそう効果的なものになると言い、サイトのツリー表示(TreeView)やサイト上で見ている位置を表示するSiteMapPath、サイトのリンク情報を提供するMenuなどが実装される。
また、会員制サイトに対応すべく、「メンバーシップ」機能では、ユーザー管理をデータベースで管理し、プログラミング操作のためのAPIも提供するものだ。
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