月刊「XOOPSコミュニティ通信」――準備号dev blog/CMS

オープンソースのCMSとして知られているXOOPS。その国内コミュニティ「XOOPS日本公式サイト」の毎月の情勢を厳選トピックで知るべくコアメンバーの1人、坂井 恵氏による定期連載を開始。

» 2004年09月16日 11時55分 公開
[坂井 恵,ITmedia]

 コーナー「dev blog/CMS」の読者であれば、「XOOPS」という名を目にしたことがある人が多いでしょう。あるいは、すでに導入しているという人もいるでしょうか。

 この月刊コラム連載は、日本国内のXOOPS情報拠点「XOOPS日本公式サイト」を中心としたXOOPS最新動向を、XOOPSコミュニティ内の有志に協力をいただきながら、毎月のトピックをお伝えしていくものです。

 今回は準備号として、「XOOPS」について簡単に説明をしておきましょう。次回からは、コミュニティ動向によりフォーカスしていきます。

 XOOPSは、次のような特徴を持っています。

  • XOOPSは「ずーぷす」と発音します。
  • XOOPSは「CMS」や「コミュニティサイト構築ツール」として分類されます。
  • XOOPSはPHP スクリプトの集合体です。
  • データの保存先としてデータベースソフトウェアである「MySQL」を使用します。
  • 日本人開発者(Onokazu氏)を中心とした国際チームにより開発されています。
  • XOOPSは会員制(ログインして利用する)サイトを構築するのに最適です。

 もちろん、このキーワードだけではXOOPSの魅力について実感することはできないので、より詳しい情報については「XOOPS日本公式サイト」や、ほかの有志による情報サイト、および市販されている書籍(「XOOPS入門」翔泳社)などを参考にしてほしいです。

 そして、読者が実際にXOOPSサイトを手に入れたいならば、稼働条件としてPHP、MySQLが利用可能なWebサーバであれば、手軽にXOOPSを試してみることができます。XOOPS日本公式サイトなどを見て興味を持った人は、ぜひご自分の手でXOOPSを利用してみると、より理解が高まると思います。

 それでは、ここ数ヶ月のXOOPSを取り巻く動向について紹介していきましょう。

8月6日、公式サイト会員が7000人を突破

 「XOOPS日本公式サイト」の登録会員数が、8月6日には7000人を超えました。最近ではおよそ1ヶ月に500人程度のペースで増え続けているようです。気が付けば、日本のOSSコミュニティとしてかなりの大所帯となっており、ますます今後が楽しみになってきました。

8月22日、XOOPS 2.0.7.1リリース

 前回のリリース(2.0.7)が2004年6月でしたので、約2ヶ月ぶりのリリースとなります。小数点以下4番目の数字(2.0.7.1の「1」の部分)が増えているので、セキュリティ、バグ修正のリリースであることを意味します。

9月11日、XOOPS 2.0.7.2、2.0.7.3リリース

 同じ11日に立て続けに.2と.3がリリースされました。重要なセキュリティ上の修正を含んでいるため、XOOPSでサイト運用されている人は、バージョンアップすることが強くすすめられているバージョンです(関連記事)。

 このリリースは、たまたま同じ日に重なりました。このリリースで感じられることは、2.0.7.2がリリースされた後に発見されたセキュリティホールに対し素早く対応するという姿勢であり、XOOPSが多くの人に信頼されている所以であるといえるでしょう。

オフラインでの最近の動向

 XOOPSコミュニティでは、不定期にオフラインミーティング(通称「オフ」)を開催しています。最近では、東京近郊と仙台が比較的盛んです。オフ会参加への呼び掛けはXOOPS日本公式サイトの「フォーラム」などで行われているので、興味ある方はチェックしてみるとよいでしょう。

7月23日、ビアガーデンオフ(東京)

 XOOPS日本公式サイトに集うメンバーの中から声があがり、急きょ開催されました。数日前の呼びかけにもかかわらず9人が池袋に集まり、ビールを片手にXOOPS話に花が咲きました。

7月29日、Ryuji氏を囲む会(東京)

 「XOOPS入門」の共著者でもあるRyuji氏が上京するのに合わせ(関連記事)、開催されたものです。実際にサイトやツール類を動かして見ながら話ができる環境が実現でき、濃い話が展開された場となりました。

8月1日、第3回仙台XOOPS講習会(仙台)

 最近とても精力的な仙台で、第3回XOOPS講習会が開催されました。実機を用いての実践的な講習のようです。オフというとどうしても人数の多い東京が中心となってしまいがちですが、このように各地で人の輪ができるのは素敵なことです。

9月4日、オープンソースカンファレンス2004に参加(東京)

 「オープンソースカンファレンス」に、XOOPSコミュニティとして出展を行いました。CDブートですぐに使えるというコンセプトのXOOPS(XNOPPIX=KNOPPIXにXOOPSを組み込んだもの)が初公開され、約100枚用意したCDは瞬く間になくなってしまいました。

 当日発表の資料やXNOPPIXのCDイメージは、「XOOPS for Corporate」で公開されています。興味のある人は訪れてみるとよいでしょう。また、会場で特別配布された「XOOPS印の粘着メモホルダー」も好評でした。

今月のTips「インストール時にテーブル接頭語を変更しよう」

 XOOPSのインストールを行う際、インストールウィザードで4番目の画面(下画面)では、データベースのユーザ名、パスワードなどと共に「テーブル接頭語」を指定する欄があります。標準では、「xoops」という値が入っていますが、インストール時にはこの値を変更するようにしましょう。

画面■「テーブル接頭語」は任意の文字列に変更しましょう

 SQLインジェクションを目論むサイト攻撃では、このテーブル名を決め打ちする攻撃者がほとんどです。このため、接頭語を分かりづらい名前にしておくと、よりサイトを堅牢にできるのです。

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