MS、HotmailとOutlookの連係機能を有料化

Microsoftはスパム対策として、OutlookまたはOutlook ExpressからHotmailアカウントのメールにアクセスする機能の無償提供を停止する。(IDG)

» 2004年09月27日 15時32分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは9月27日から、Hotmailサービスのユーザーが、Outlookを使って自分の電子メールにアクセスできる機能を有料化する。

 同社がこの動きに踏み切るのは、有料Hotmailユーザーを増やすためではなく、スパム送信者によってこの機能が濫用されているからだとMSNのリードプロダクトマネジャー、ブルック・リチャードソン氏は語る。

 「基本的にスパム業者がやっているのは、OutlookまたはOutlook Expressから、Hotmailアカウントのメールを素早く大量に送り出せるスクリプトを作ることだ。当社が見たところ、数日間に数万のHotmailアカウントが作られ、このやり方でスパムが送られたことがあった」(同氏)

 この機能の濫用を防ぐために、Microsoftは27日から、無料のHotmailアカウントとMSNメールアカウントの新規ユーザーにこの機能を提供するのをやめる方針だ。現行ユーザーはこの機能を使い続けられるが、数カ月の間に有料Hotmail会員になるよう求められる。来年4月までに、この機能の無償提供はなくなるとリチャードソン氏。

 問題のHotmailとMSNメールの機能はWebDAVとして知られている。WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)プロトコルによって実現される機能だからだ。リチャードソン氏によると、この機能はアクティブなHotmailアカウント(1億8700万)のうち約5%(940万)で使われている。

 OutlookまたはOutlook Expressとの連係を有料サービスにするという今回の決定は、一部ユーザーには歓迎されないだろうが、Hotmailと電子メールコミュニティーの「もっと大きな利益のために」Microsoftはこの措置を取らざるを得なかったとリチャードソン氏。さらに、Yahoo!など競合するWebメールサービス企業は既に同様の機能に料金を課していると同氏は話す。

 このほかMicrosoftはスパム送信者によるHotmailの濫用を防ぐ対策として、無料アカウントから送信できるメールを1日100通までに制限したり、アカウントのサインアップの際の認証を増やすなどしていると同氏は説明する。「スパム業者の特徴を理解するという点で、多くの取り組みを行っている。このため当社ではスパム業者を監視し、見つけ次第遮断することができる」

 WebDAVプロトコルを使ってHotmailやMSNメールをOutlookと連係させたいユーザーは、年額19ドル95セントのHotmail Plusか年額99ドル95セントのMSN Premiumに登録できる。Hotmail Plusでは2Gバイトのメールストレージが提供され、アカウントが期限切れになることがない。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ