日本ピープルソフト、11月に「CRM8.9」日本語版をリリースへ

日本ピープルソフトは、CRMの新製品「PeopleSoft Enterprise CRM8.9 日本語版」を11月2日にリリースすることを明らかにした

» 2004年10月03日 02時02分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本ピープルソフトは9月30日に、CRMの新製品「PeopleSoft Enterprise CRM8.9 日本語版」を11月2日にリリースすることを明らかにした。金融業向けソリューションや、顧客の評価をリアルタイムに行って適切なアクションを取る機能「プリスクリプティブ・アナリシス」、パートナー企業の選定から獲得、管理までを行う「パートナーライフサイクルマネジメント」などの新機能が加わった。

クレイグ・ハリデー氏

 同社のクレイグ・ハリデー社長は、これまでの同社のCRMへの取り組みについて、「PeopleSoftのCRMは1999年のVantive買収に始まり、8.0、8.4、8.8を経て、今回の8.9のリリースに至った」と振り返る。操作性とパフォーマンスに優れ、アナリストの評価も高いとしている。

 米Hewlett-Packardではコンタクトセンターにおける8000名のエージェントが、1カ月当たり200万件の問い合わせに対応するシステムを、また米Dellも、PeopleSoftのCRMを利用してコンタクトセンターを構築している。

 同社執行役員本部長の村上智氏は、「日本には巨大な“手作り市場”が存在していることに着目している」と話す。同社は、従来の作りこみ型の開発で構築された企業のコールセンターや営業支援システムのリプレース需要を、CRM戦略の柱の1つとして考える。今後は「部分最適化されていたシステムを、エンタープライズレベルでのビジネスプロセスとして、全体最適を目指して再構築する必要がある」としている。

 これらは、いわゆるシステムのオープン化の流れとして捕らえることができる。同社は、全体最適化されたシステムを構築するために、ユーザー企業の業種に合わせたシステムをパッケージソリューションとして提供する考えだ。

 今回同社が発表したCRM8.9では、金融業界向けの新たなソリューションとして「PeopleSoft Enterprise ウェルスマネジメント」が提供される。これは、金融機関が富裕層を顧客として維持し、収益向上を目指すもの。さまざまな情報を集めることで、富裕層の顧客が持つ資産価値を示し、さらに分析することで、金融機関は重要顧客の資産管理の最適化を図ることができる。

 また、対面や電子メール、電話を通じてアクセスのあった顧客企業に関して、収益性やロイヤリティなど、さまざまな基準で評価する「プリスクリプティブ・アナリティクス」機能が中核エンジンとして含まれている。導入企業は、こうした評価を基に、顧客に対して電子メールによる案内や、クロスセルの提案などのマーケティング施策を実施する。ユーザー企業は、CRM8.9上で顧客管理方針を策定することで、顧客戦略をビジネスルールとして体系化できる。

 さらに、サプライヤーをはじめとするパートナー企業との関係を効率的に管理する「PeopleSoft Enterprise パートナーリレーションマネジメント(PRM)」機能も提供する。導入企業は、パートナー戦略の策定、パートナーの獲得、パートナーのビジネスプロセスへの参加など、パートナーとの「ライフサイクル」全体にわたって管理することができるとしている。

操作性のアップ

 また、操作性の向上についても強調された。まず、151種類の主要タスクを完了するまでの平均時間が、従来製品と比較して38%向上したという。また、主要な業務を実行するために求められるクリック数は46%削減、パフォーマンスも30%アップしたとしている。

 この日同社は、従来製品を強化したPeopleSoft Enterprise CRM8.9セールス/マーケティング/サービスが、それぞれリリースされることも併せて明らかにした。

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