PeopleSoft Connect開幕、完成度の高さやJDE統合の成果をアピールするコンウェイCEOPoepleSoft Connect 2004(1/2 ページ)

サンフランシスコのモスコーニセンターで米国時間9月21日朝、「PoepleSoft Connect 2004」が本格開幕した。コンウェイCEOは、俄然注目が高まっているOracleの買収提案については多くを語らず、過去12カ月の実績やIBMとの提携強化を強調した。

» 2004年09月22日 10時01分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 3年前の「9.11」(米国同時多発テロ)以来、大規模なトレードショーやカンファレンスは軒並みその運営に問題を抱えてしまった。COMDEX/Fallの中止はその象徴といえる。しかし、1万5000人の顧客やパートナーらを集め、「過去最大」をうたうPeopleSoftの年次ユーザーカンファレンスは例外のようだ。

 サンフランシスコのモスコーニセンターで米国時間9月21日朝、「PoepleSoft Connect 2004」が本格開幕した。同センターで行われるカンファレンスのキーノート会場はノース(北館)の地階と決まっているが、5000人は収容できるだろうこのスペースがぎっしりと埋まるのを目にするのは何年ぶりだろうか。

「ここにいる大半は弁護士?」とOracleへの損害賠償訴訟を自らネタにするコンウェイCEO

 オープニングのキーノートに登場したクレイグ・コンウェイ社長兼CEOは、Oracleによる買収提案については「われわれの悪い夢はもう15カ月も続いている」と辟易するだけで多くを語らなかった。実際、Oracleの買収提案が何度も退けられる中、PeopleSoftはこの15カ月間でJ.D. Edwardsを統合し、製造業向けの統合されたソリューションを完成させたほか、「Total Ownership Experience」(TOE)の絶え間ない改善も図った。むしろ過去の実績を誇ることによってOracleの買収提案を一蹴し、さらにWebサービスをベースとした来るべき「アダプタブルビジネスプロセス世代」を睨んでIBMとの提携強化を発表している。

開発者の半数を「TOE」改善に充てる

 2003年5月に発表されたTotal Ownership Experience(TOE)構想は、実装、運用、そして保守の在り方を変革し、アプリケーション所有に関する手間やコストを低減するもの。既に実装に要する時間は20%削減され、主要タスクのユーザー生産性は30%改善、サポートの問題解決も44%時間短縮される成果があるという。

 この日新たに発表されたのは「Accelerated Upgrade」と呼ばれる技術だ。カスタマイゼーションとデータだけを新しいリリースにコピーすることによって、アップグレードに要する時間が25〜40%短縮できるほか、システム停止時間も66%減らせるという。

 また、IT部門が直面する最大の課題、メンテナンスにも同構想は対処している。今回のConnect 2004カンファレンスで、PeopleSofはサービス指向アーキテクチャ(SOA:Service Oriented Architecture)について初めて語り、IBMとの緊密な連携によって本格的な戦略を展開していくことを明らかにした。もちろん、その第一歩はアプリケーションの機能をWebサービス化しておくことだ。

 この日発表された「Interactive Service Repository」を使うと、PoepleSoft製品がWebサービスとして提供しているインテグレーションポイント、約1500をカタログ化でき、ビジネスプロセスの要件が変わるたびに必要とされた膨大な開発時間を大幅に減らせるという。

 コンウェイ氏は、「新しい製品だけが創造的だというわけではない。Total Ownership Experienceを改善することも創造的だ」とPeopleSoft製品の高い完成度をアピールする。彼によれば、デベロッパーの半数をこの取り組みに充てているという。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ