宿敵Oracleが手をこまねいている中、J.D. Edwards(JDE)の統合を成功させたことはコンウェイ氏が顧客らに誇りたい実績の一つだろう。
「(昨年6月の)JDE買収発表直後からOracleによる買収提案が始まり、顧客のあいだには疑問の声も上がったが、製造業向けの統合されたコアのソリューションを作り上げることができた」(コンウェイ氏)
JDE買収によって同社は、「PeopleSoft Enterprise」(旧PeopleSoft 8)、「PeopleSoft EnterpriseOne」(旧J.D. Edwards 5)、そしてIBM eServer iSeries向けの「PeopleSoft World」(旧WorldSoftware)を抱えることになったが、「統合してしまうのではなく、技術や経験を融通し、組み合わせることによって、製品強化を図ることができた」とコンウェイ氏。
PeopleSoftとJDEでは、ライセンス体系が異なったことから、「ちょっとした失敗もあった」と謙虚なところも見せたが、「PeopleSoftはこの15カ月間、JDEが5年間かかった機能強化よりもたくさんの仕事をした」と胸を張りたいのがコンウェイ氏の本音だろう。
OracleによるPeopleSoft買収は独占禁止法違反だという司法省の訴えは退けられたものの、11月には顧客との取引を妨害したとしてOracleを相手取った損害賠償訴訟がオークランドで始まるほか、欧州委員会がOracleの買収提案を依然として審査中だ。
コンウェイ氏にとっては、この夏のストレスは、Oracleの買収提案だけではなかったようだ。
彼は、「息子のスコットを私立中学に入れるためには、心にもない“ゴマスリ”が必要だった」と話し、会場を沸かせた。昨年のConnect 2003カンファレンスでは、防弾チョッキを着て登場したことがセンセーショナルに伝えられたが、今回は洗練された大人の対応といえる。第2四半期が、司法省 vs. Oracleの訴訟を伝えるマスコミ報道のあおりを受け、減益となったことがそうさせたのかもしれない。
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