MSN Messenger 7の限定β版に、ウインク機能を使った攻撃につながる可能性のある問題が発見された。MSはβ版の提供を中止し、この問題を調べている。(IDG)
米Microsoftは、セキュリティ問題が起きる可能性があるとの理由から、MSN Messenger新版のβテストを中断した。同社の広報担当者が10月6日、明らかにした。
同社が週末にMSN Messenger 7の限定β版を一部テスターに公開してから間もなく、テスターが潜在的なセキュリティ問題を発見したと、MSN MessengerのファンサイトMess.beの投稿には記されている。
この問題は、ユーザーが互いにサウンドアニメーションを送り合える「ウインク」という新機能に関連するもの。この機能を悪用して、ユーザーのシステムを攻撃することができるとMess.beには書かれている。
Microsoftはβテストを中断して同ソフトを引き上げる一方で、この問題を調査している。来週にはウインク機能なしの新しいテスト版を提供開始すると広報担当者は話している。
MSN Messenger 7のテスト版は、承認されたアニメーションのみを送信できるよう設計されている。しかしMicrosoftは、この機能を利用して「セキュリティ問題を引き起こす恐れのある不正なウインク」が送信される可能性について調べていると広報担当者は説明する。ウインクはMSN Messengerのテスト版から削除されるが、同社は正式版にはこの機能を盛り込む計画だという。
潜在的な問題のあるMSN Messengerのバージョンをダウンロードした人数は不明だ。Microsoftによると、同ソフトはテスター向けに公式にリリースされたわけではなく、少数の人だけにダウンロードサイトへのアクセスが与えられたという。だがこのバージョンは、Web上のほかの場所にも現れている。
Microsoftは先週、この限定β版を発表した。このテストは、1カ月当たり1億3500万人のアクティブユーザーを抱えるMSN Messengerの新版リリースに向けた重要なステップだ。同社は年内に公開β版の提供を予定しており、2005年1〜3月期に正式版をリリースしたい考えだ。
MicrosoftのMSN部門は製品のテスト版を1つ引き上げたが、別の製品のテスト版を復帰させた。同社は4日、次期版MSN Searchの2番目の「テクノロジープレビュー」をひっそりと立ち上げた。最初のプレビューはインデックスに10億ページを含み、7月初めにオンラインで公開され、8月に公開が停止された。2番目のプレビューは最初のものと似ているが、50億のWebページをインデックス化していると広報担当者は話す。
インデックス拡大のほか、このプレビューでは検索結果の関連性も改善されているという。また、検索対象のインターネットドメインが増え、スペル訂正やページのキャッシュも提供される。Googleに対抗するMSN Searchの正式版は、年末か来年初頭に立ち上げの見通し。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.