StorageTek FORUM 2004開幕、カスタマーファーストとイノベーションが支えた35年

米StorageTekの年次カンファレンス「FORUM 2004」が米国時間10月12日、テキサス州サンアントニオで開幕した。35周年を迎えた同社のマーティンCEOは、「カスタマーファーストを追求し、イノベーションを継続して提供してきた結果だ」と胸を張ってみせた。

» 2004年10月13日 16時45分 公開
[堀 哲也,ITmedia]

 米StorageTekの年次カンファレンス「FORUM 2004」が米国時間10月12日、テキサス州サンアントニオで開幕した。

 テキサス州南部のサンアントニオは、スペイン、メキシコ領時代の面影を色濃く残す街。世界中から1000人を超えるユーザーやパートナーが駆けつけ、FORUM 2004はマリアッチの音楽に乗せて、開幕前夜から盛り上がりを見せた。

 これまでストレージの領域で多くのイノベーションを提供してきたStorageTekは、今年で35周年を迎えた。開幕基調講演に登場したパット・マーティンCEOは、「カスタマーファーストを追求し、イノベーションを継続して提供してきた結果だ」と胸を張る。

パット・マーティンCEO 35周年の秘けつを語り、カスタマーファーストとイノベーションの提供はこれからも変わらないことを示すマーティンCEO

 冒頭で35年の月日を振り返るマーティンCEOは、この間、偉大だったにも関わらず多くのIT企業が消えていったことに触れ、StorageTekが生き残ることができた秘けつをこう語る。

 「常にカスタマーファーストを貫いてきた。これが35周年を迎えることができた一番の理由だ。そして、ベストなエンジニアがベストなストレージソリューションを提供してきたこと。継続してテクノロジーに投資し、継続的にイノベーションを提供することにフォーカスしてきたからだ」

 同社の歴史を紐解くと、70年代に現在の仮想化技術のさきがけとなる半導体ディスクを開発したことをはじめ、「世界初」冠を持つ技術を数多く提供してきた。現在では、ディスクストレージで苦戦を強いられているものの、テープ装置では50%程の圧倒的シェアを持つなど、技術力への評判の高さは変わらない。現在、ワールドワイドで提供している総ストレージ容量は、100ペタバイトにも及んでいるという。

CIOの悩みを解決するILM

 近年、メインフレームの世界からいち早く情報ライフサイクル管理(ILM)のコンセプトをオープンシステムの世界に持ち込んだも同社だ。結果、ILMは今や業界全体のトレンドともいえる言葉になった。現在StorageTekは、ILM戦略の下に、増え続けるデータへのコストを抑えた対応、複雑化したストレージインフラの運用管理の簡素化といった顧客の要求に応えようと、製品やサービスなどを拡充している。

 「CIOやデータセンターのマネジャーに降りかかっている問題は、情報は年間40%〜50%も増え続けているものの、ストレージにまつわる予算は20%〜30%もカットされていることだ。にもかかわらず、情報を管理しきれなった企業の多くは、淘汰されてしまった」とマーティンCEO。アーカイブ、バックアップ、ストレージプロダクティビティの問題が浮上しており、企業はこれらを解決しなければ生き残れないと話す。

 アーカイブに関しては、コンプライアンス(法令順守)への要求が急速にその重要性をたかめ、安全に情報が保管されるだけでなく、テラバイト規模の膨大なデータの中から適切な情報を引き出せる必要があると言う。

 管理者の労力の60%〜70%が費やされていると言われるバックアップについては、「これまで無駄が多く、これまでのやり方は通用しなくなった」と指摘。また、ストレージプロダクティビティに関しては、ストレージの30%しか活用されていないという事実に触れ、ストレージリソースの管理の必要性を訴えた。

 同氏によれば、これらすべてを解決できるのがStorageTekの提唱するILMの概念だという。そして、常に顧客の問題を解決していくために、StorageTekでは、(1)適切な時に適切なデバイスへのデータマイグレーション、(2)プライマリーディスクのより効率的な活用、(3)バックアップ/リストアの信頼性の向上、(4)法令や規制への柔軟な対応、(5)アーカイブデータのローコストストレージへの移行によるコスト削減――に対して注力していく。

 カスタマーセントリックな技術を貫き35年を迎えた同社だが、今後も「常に今抱えるストレージの問題を解決していくソリューションを提供していく」と、マーティンCEOは再びユーザーに約束した。

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