MS、アクセス制御技術提供を延期。Ciscoとの協力が一因

MicrosoftはWindowsサーバのロードマップをまた修正した。セキュリティ分野でCiscoと提携したことが一因となっている。(IDG)

» 2004年10月19日 08時33分 公開
[IDG Japan]
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 米Microsoftが10月18日、Windowsサーバのロードマップをまた修正した。今回はネットワークアクセス制御機能のリリースを2年近く先送りしたが、これはCisco Systemsの同じような技術と同調して開発に当たるという新計画を導入したことが一因となっている。

 今回のロードマップ変更に先立ち7月には、年内にリリースするはずだったWindows Server 2003 Service Pack 1と64ビット版を、来年上半期に延期している。

 Microsoftによれば、デスクトップPCのネットワーク接続を許可する前にセキュリティ遵守状況を評価する「Network Access Protection」 (NAP)は来年の出荷を見送り、2007年に出荷予定のLonghorn Serverに組み込む。7月にNAPを発表した時点では、Windows Server 2003 Update(コードネームR2)の一部としてこの技術の最初の部分を出荷する意向だった。また、これまで来年上半期を予定していたR2の出荷も、今回下半期に延期された。

 NAPの発表をめぐっては、Microsoftが公表した20社あまりのパートナーの中にCiscoが含まれていなかったことから疑問視する声も出ていた。Ciscoは同様の技術として「Network Admission Control」の開発に当たっている。

 両社協調に向けた方針転換について説明する中で、MicrosoftとCiscoは完全な互換性達成のためには最低でも2〜3年かかるかもしれないが、いずれも既存の技術を捨てる計画はないことを認めている。

 「Policy Connection Server」もR2から外され、Longhornに組み込まれることになった。これは同サーバOSに組み込まれ、アクセスにあたってネットワークポリシー遵守を促す一種の仲介的な役割を果たす。また、MicrosoftのInternet Authentication Service (IAS)に追加される予定のポリシーストアも延期された。これはRADIUSプロトコルを実装するものとなる。

 この技術提供を先送りする利点として、IPSec認証ベースのアクセスをサポートできるようになると、Windows Server部門のグループプロダクトマネジャー、サム・ディスタシオ氏は説明。この機能はNAPの最初のバージョンでは予定していなかった。ただ、ワイヤレスのサポートを追加するかどうかについて同氏は明言しなかった。

 来年上半期にリリースがずれ込むWindows 2003 Service Pack 1では、VPN Quarantine技術は予定通り提供する予定だ。

 Microsoftは相互の技術の互換性確立に向けてCiscoと協力、ユーザーが単一のプラットフォームで部品を組み合わせられるようにすると述べている。両社はまた、業界標準の普及促進を支援するとも語ったが、具体的な内容については触れなかった。

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