IDC Japanは国内ソフトウェア市場の動向および予測を発表、2003年の同市場規模は、対前年比2.9%増の1兆8140億円だった。
IDC Japanは10月18日、国内ソフトウェア市場の動向および予測を発表した。
これによると、2003年の国内ソフトウェア市場規模は、対前年比2.9%増の1兆8140億円だった。
同社では、パッケージソフトウェア市場を、「アプリケーション」「アプリケーション開発/デプロイメント」「システムインフラストラクチャソフトウェア」の3つに分類しているが、アプリケーション市場およびシステムインフラフラストラクチャ市場に回復傾向が見られるものの、全体としては低成長が続いていると分析している。
アプリケーションソフトウェアの2003年実績は、対前年比3.1%増の7038億円だった。ERPに代表される大規模投資が一巡し、需要は依然として低調という。
アプリケーション開発/デプロイメントの2003年実績は、対前年比1.0%増の4114億円。2001年、2002年と縮小したデータベース市場には回復の傾向もあるが、メインフレーム向け開発ツールの落ち込みなどが影響しているようだ。
システムインフラストラクチャソフトウェアの2003年実績は、対前年比3.8%増の6987億円。セキュリティソフトウェアやストレージソフトウェアなどの高成長領域がある反面、金額規模の大きなメインフレーム市場が縮小しており、結果的にわずかな伸びとなった。
今後の予測では、アプリケーションライフサイクル管理ソフトウェアが、2003〜2008年において年間平均成長率(CAGR)12.4%の高い成長率を見込まれている。これは、自動ソフトウェアテスト(ASQ: Automated Software Quality)やソフトウェア構成管理ツールなど、Webアプリケーションおよび大型ソフトウェア開発にとって必要なソフトウェアの需要拡大が予測されるためという。
同社リサーチマネージャーの井出和之氏は、「国内ソフトウェア市場は、拡大期から安定成長期に移りつつあり、各ベンダーは安定した市場で確実な収益をあげるビジネスモデルへの転換を図るとともに、今後の成長が見込まれる分野に対して、自社リソースを有効に活用しながら、選択的かつ継続的な投資を行う必要がある」と語っている。
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