Sun、プロファイリングツール「JFluid」をJava Studioに統合へ

Sunは、2005年4月にリリースする統合開発環境(IDE)「Java Studio」の一部に、プロファイリングツール「JFluid」を組み込む計画だ。

» 2004年10月21日 20時09分 公開
[IDG Japan]
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 Sun Microsystemsは先週、Javaのパフォーマンス計測用の実験的ツール「JFluid」の商用化に向けた重要な一歩を踏み出した。Sun Labsの研究開発グループが2年前から取り組んできたプロジェクトを同社のソフトウェア部門に移管したのである。Sunでは、2005年4月にリリースする統合開発環境(IDE)「Java Studio」の一部として同ツールを提供する予定だとしている。

 JFluidはJavaアプリケーションを検証し、コードに含まれているパフォーマンスの潜在的ボトルネックを開発者に教えてくれる「プロファイリング」ツールだ。開発したのは、ミーシャ・ドミトリーエフ氏が率いるチーム。SunのWebサイトでの発表によると、同氏は先週、Sun Labsからソフトウェアグループに移籍した。

 JFluidの初期アクセス版は、商用製品のJava Studioのベースとなるオープンソースソフトウェアである「NetBeans」のバージョン3.6に組み込まれている。

 Nuance Communicationsのソフトウェアエンジニア、リッチ・ウンガー氏によると、Javaプロファイラは既に何種類か出回っているが、その多くはスタンドアロン製品として販売されており、IDEに統合されていないという。同氏はNetBeans管理委員会のメンバーで、JFluidについても詳しい。

 「JFluidのユニークな点は、プロファイリング機能をいつでもオン/オフすることができ、Javaアプリケーション全体を検査しなくても、調べたい部分のコードのパフォーマンスだけを検査できることにある。このため、JFluidはほかのプロファイラよりもはるかに高速だ」とアンガー氏は電子メールでの取材に答えている。

 「一般に、プロファイラはパフォーマンスを大きく低下させる。20分間ほど動作して初めて現象が現れるメモリリークを見つけようとする場合、プロファイラを使用すると、その個所に到達するまでに数時間も動作させなければならない」(同氏)

 Meta Groupの技術調査サービス担当副社長、ダン・ショラー氏によると、プロファイラは以前から出回っているが、最近では、ソフトウェア開発者がパフォーマンスなどの問題を修正するためのツールが増えており、プロファイラもそのようなツールとして提供されるようになってきた。この種のツールは従来、品質保証チームや運用チームが利用していたという。

 「従来は開発後に利用されていた機能が開発ツールに組み込まれるようになってきた。個々の開発者の生産性の改善に向けた取り組みは非常に盛んだ」(ショラー氏)

 Sun Labsの技術でSunの商用製品に組み込まれるのはJFluidだけではない。同社では、Javaを開発したジェームズ・ゴスリング氏が統括する「Jackpot」プロジェクトも自社のIDEに統合しようとしている。

 Jackpotは、Javaアプリケーション開発の複雑さを解消することを目的とした各種開発ツールで構成される。

 ゴスリング氏は昨年Sun Labsを離れ、Sunの開発製品グループを担当する最高技術責任者に就任した。

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