組み込み機器にもウイルス対策を、トレンドマイクロが専用機

トレンドマイクロは、Windows Embeddedを搭載した組み込み機器をウイルスやワームの被害から守る「Trend Micro Network VirusWall 300」を発表した。

» 2004年11月01日 21時10分 公開
[ITmedia]

 トレンドマイクロは11月1日、Windows Embeddedを搭載した組み込み機器をウイルスやワームの被害から守る専用ハードウェア「Trend Micro Network VirusWall 300」を発表した。

 ATMやPOSといったシステムでは、長年、専用ハードウェアとソフトウェア、専用網を組み合わせた垂直型ソリューションが主流となってきた。しかし近年、Windows Embeddedのようなオープン系OSが採用されるケースが増えてきている。だがそれとともに、これら組み込み機器がウイルスやワームの危険にさらされる可能性も高まっている。PCに搭載されているOSと同様の脆弱性が、組み込み機器にも存在することになるからだ。

 現に、2003年1月に登場したSlammerワームは、PCだけでなくBank Of Americaをはじめ、複数の金融機関にダメージを与えたほか、航空会社のチケット発券システムにも影響を及ぼした(2月10日の記事参照)。Nachi(Welchia)でも同様に、ATMサービスに支障が生じたケースがあった。

 Network VirusWall 300は、こういった問題に対処するための製品だ。ATMやPOSなど、Windows Embeddedを搭載した組み込み機器とその機器が接続されるルータなどとの間に設置して利用する。PCの場合と同様、同社のウイルス検索エンジンとパターンファイルを用いてネットワークを流れるトラフィックを監視し、ウイルスを検出する。

 インターネットなど公共ネットワークから流れ込んでこようとするウイルスを防ぐのはもちろん、感染した機器を隔離することにより、専用網内での蔓延を食い止めることも可能だ。また、特に感染力の強いウイルスの侵入を緊急ポリシーによって遮断する、大規模感染予防サービスも利用できる。

 Network VirusWall 300には最大4台までの組み込み機器を接続できる。価格はオープンプライスだが、10万円前後になる見込みで、2005年第1四半期より出荷される予定だ。トレンドマイクロによれば、組み込みLinuxを搭載した機器にも同様のセキュリティ対策が提供できるといい、顧客のニーズがあれば対応したいとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ