OracleがPeopleSoft買収の最終提案。不調なら計画撤回

OracleはPeopleSoft株式の公開買い付け価格を1株当たり21ドルから24ドルに引き上げた。これが「最善かつ最終」の提案だという。

» 2004年11月02日 08時37分 公開
[ITmedia]

 米Oracleは11月1日、PeopleSoft株式の公開買い付け価格を1株当たり21ドルから24ドルに引き上げたと発表した。これはOracleとして「最善かつ最終」の提案であり、期限までに過半数株を取得できなかった場合は提案を撤回すると表明している。

 新提案に基づく公開買い付けの期限は11月19日。買収実現に当たってはPeopleSoft取締役会が導入した「ポイズンピル」が障壁となっているが、もしOracleが期限までに過半数株式の取得に成功し、その時点でまだポイズンピルが取り除かれていない場合は、デラウェア州均衡法裁判所に対してしかるべき措置を申し立てる方針。一方、過半数株を取得できなかった場合は身を引く意向だと言明した。

 24ドルという買い付け価格はPeopleSoft株の最近の相場に大幅に上乗せした額であり、過去52週間でつけた終値の最高値をも上回っているとOracleは指摘。最初に買収計画を発表した前日の株価に比べると60%近い上乗せになるとしている。

 OracleによるPeopleSoft買収計画をめぐっては、買収阻止を目指した米司法省の訴訟が棄却されたのに続き、欧州委員会が先日承認を発表。これを受けてOracleは10月31日付でPeopleSoft取締役会に対し、改めて交渉に応じるよう迫る書簡を送ったことも明らかにした。

 書簡はOracleのラリー・エリソンCEOの名で送られ、「株主が当社の提案を検討する上で、残る唯一の障壁はPeopleSoft取締役会のみとなった。株主に決定を委ねることにより、この問題を決着させるべき時が来た」と通告している。

 これに対してPeopleSoftは1日、株主に向けて、Oracleの新提案に対して当面行動を控えるよう呼びかけた。取締役会を開いて今回の提案について検討した後、株主への勧告を行う方針だと説明している。(→詳細記事)

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