流通コラボレーションの進化にソリューションベンダーはどのようにこたえていくのか。消費財や小売業の分野で強みを持つSCMアプリケーション大手、米ManugisticsのCEO、ジョー・カウァン氏に話を聞いた。
米Wal-Martは2005年1月、同社に製品を提供するサプライヤーに、パレットレベルでICタグを貼付することを義務付けた。また、インターネット上の企業間電子取引市場、いわゆるe-マーケットプレイスとして知られるWWREには、欧米の大手小売業者が多く参加している。こうした動きからわかるように、欧米では、メーカー、物流業者、小売業者の連携が進んでおり、SCMの最適化が一層強く求められるようになっている。
一方、日本の小売業界はこうした取り組みが明らかに遅れている。加えて、製造業では、中国をまたがった形でバリューチェーンを構築する必要もあり、SCMの最適化は日本企業にとってもビジネスの成功を左右する重要な取り組みになる。
こうしたユーザー企業の課題に、ソリューションベンダーはどのようにこたえていくのか。消費財や小売業の分野で強みを持つSCMアプリケーション大手、米ManugisticsのCEO、ジョー・カウァン氏に話を聞いた。
ITmedia 米国の企業がSCMの最適化をするにあたって、共通して抱える問題点はどんなことでしょうか?
カウァン われわれの顧客企業の多くは現在、「コスト削減と在庫の最適化」という2つの課題を同時に解決しなくてはならない状況にあります。
また、「価格最適化」への取り組みも迫られている状況です。これは、需要予測、生産、物流という一連の流れを経て小売業者に納品された製品を、最適な価格で消費者に販売する取り組みと言い換えることができます。つまり、製品が作られてから販売されるまで、一連の流れに関わったすべての業者に関わってくる問題です。
われわれは、顧客企業のこうした課題を解決するために、質の高いソリューションを提供していく考えです。
ITmedia Wal-Martが1月から、主要サプライヤー130社余りに対し、納品するパレットレベルでのICタグの貼付を要求しています。RFID関して、どのように考えますか?
カウァン Wal-Martの動きは、ICタグを貼付するためのコスト負担がサプライヤーにかかってくるため、サプライヤーはROIに不満を持つかもしれません。しかし、サプライヤーから物流、小売という一連の流れを連携させるコラボレーションへの取り組みに関して、多くの顧客企業から相談を受けていることは事実です。われわれは、RFIDでもしっかりしたソリューションを提供できると考えています。
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