12月22日にATOK/一太郎のLinux版が発売される。どのような製品となっているのか気になっている方は多いだろう。ここでは、開発版の情報をベースに、機能や仕組みなどについて紹介していこう。
ATOKは、古くから実績のあるかな漢字変換ソフトウェアだ。その変換精度には定評があり、長文でも適切な漢字に変換してくれる。現在では、Windows版、Mac OS X版があるほか、SolarisやHP-UX、各種PDA/携帯電話にも搭載されている。
Linux版は、1999年7月、ATOK 12ベースの簡易版「ATOK12 SE」(Standard Edition)を各ディストリビューションへバンドルしたのを皮切りに、翌年機能拡張されたATOK Xが単体発売され、現在に至っている。ATOK SEはkinput2から利用するシンプルな変換エンジンだったが、ATOK Xでは、IIIMF対応、GTK+を使ったATOKパレット/候補ウィンドウが用意され、Windows版ATOK12とほぼ同様の機能となっている。
12月に発売されるATOK for Linuxは、ATOK17をベースとした最新のエンジンだ(図1)。Windows版やMac OS X版と互換性があり、UTF-8ロケールへの対応、UCS-2ベースの外字やJIS第3・第4水準の漢字にも対応している。
Linux版としては、ATOK X以来の新製品となるので、基本的にはATOK 12からATOK 17までに行われた機能拡張が盛り込まれた状態である。Windows版を含めたATOK全般の話にもなってしまうが、ATOK Xからの強化点を整理すると以下のようになる。
IIIMF: Internet Intranet Input Method Framework(トリプルアイエムエフ)。多言語入力のためのフレームワークで、SolarisやJavaなどで用いられている。Xウィンドウシステム標準のXIMにしか対応していないアプリケーションへは、XBEブリッジサーバーでXIMに変換して対応できる。
12月に発売される: 11月12日発売予定のターボリナックス ホームにもバンドルされているので、最初に市場に出てくるのは11月。なお、本稿は開発途中の情報をベースとしているため、製品リリース時に異なる可能性がある点に注意されたい。
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