RFIDは展示会場でどう使われたか?SFC OPEN RESEARCH FORUM 2004レポート

11月23日から24日の2日間、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のSFC研究所が主催するフォーラム「SFC Open Research Forum 2004」(ORF 2004)が六本木アカデミーヒルズ40で開催されている。初日の23日、すでにレポートしたRFID実験の様子を会場で見てきた。

» 2004年11月24日 22時06分 公開
[ITmedia]

 すでに9回目の開催となるORF。2004年は「21世紀をつくる対論12」をメインテーマに、「未来技術戦略から福澤精神まで」をサブテーマに開催されている。その展示会場は非常にユニークだ。SFCの研究室が、その研究テーマを広くアピールしていて、介護からスポーツ、ITと、展示内容は千差万別。ITの展示会なら、「ネットワーク」「e-コマース」など、あらかじめテーマが決まっているものだが、ORFの展示はSFCという切り口で見てはじめて一体となる。裏を返せば、SFCという渾然一体感がうまく出た内容になっている。

 学園祭のノリはなく、あからさまなビジネス展示会でもない。奇妙なポジションにあるORFの展示ブース。入場無料ということもあってか、かなりの活況だ。そこで、既に報じた(「RFIDが導く新たな社会を感じ取る」)RFIDの実験が行われている。

興味のあるブースで登録すると…

 入場ゲートを入ると、大きなケージが目につく。その近くにプロジェクターがあり、壁には何やら不思議なイメージが映写されている。バックはグレーで、四角いマークがパラパラと、そして右横にはブースのID。これらが時間の経過と共に、ゆっくりスクロールしている。これは、展示会場にあるRFIDの書き込み/読み取り装置と連動し、だれかがそのブースを「ブックマーク」したことを示すものだ。

ブースに置かれている書き込み/読み取り装置

 ケージの前にはカメラが据え付けられており、ケージに人が入れば、その人が過去に訪れ、興味をもったブースがハイライトされる。そして、バックはグレーからカメラの映写した映像へと切り替わる。つまり、ケージの中にいる人が写る仕組みだ。

ケージの中に複数の人が入ることもできる

 上の写真を見てほしい。色の加減で少々見づらいかもしれないが、うっすらと青くハイライトされた部分と黄色(オレンジ)にハイライトされた場所がある。これが、ケージに入っている人がブックマークしたブースを示す。このケースでは、青い方が男性で、あとから入ってくれた女性のものが黄色で表現された。

 四角いマーク(現在のブックマーク状況)もこの画面で見ることができる。また、右のグラフはブックマークされた総数を示す。自分が気に入ったブースがハイライトされているため、そこを他人がどう評価しているのか瞬時にわかる。

 なお、気になるプライバシーだが、そこはあらかじめ入場時に許可をもらった人にのみICタグを配布することでクリアしている。見たところ、登録を拒否している人は少ないようで、ほとんどの人が実験に参加していた。

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