SAP、エンタープライズポータルの最新版を発表

SAPジャパンはエンタープライズポータルの最新版「SAP Enterprise Portal 6.0」(EP6.0)の提供を12月23日に開始すると発表した

» 2004年11月25日 22時09分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 SAPジャパンは11月25日、都内で記者発表会を行い、エンタープライズポータルの最新版「SAP Enterprise Portal 6.0」(EP6.0)の提供を12月23日に開始すると発表した。職種などに基いて、アプリケーションや情報などをあらかじめ定義する「ロールコンセプト」を採用したことが特徴になる。各ユーザーは、所属するロールごとに定義されたポータルを、さらに自分向けにパーソナライズできることで、情報をより効率的に活用することが可能になる。

 NetWeaverディレクターの菅沼隆太氏は、同社のエンタープライズポータルへの取り組みの歴史について、「2000年にイスラエルのTopTierの買収から始まった」と切り出した。SAPはTopTier買収後、SAP Portalsを設立し、Enterprise Portal 5.0をリリース。そして、今回のEP6.0の発表に至った。

 SAPのアプリケーションの仕組みでは、データベースなど異種システム間の技術的な違いを吸収するNetWeaverをベースに、その上で、ERPパッケージのR/3や、多次元分析ツールのBW、そのほかのアプリケーションが稼動する。そして、R/3などのさまざまなデータソースから、営業や経営者、マーケティング担当者などのエンドユーザーが、ひとつのWeb画面上に数個の窓を配置するイメージで、自分に必要な業務情報を活用するアプリケーションがビジネスインテリジェンスになる。

 新製品の特徴となるロールコンセプトを活用することにより、たとえば営業担当者には、基幹系システムやCRM、データウェアハウス、グループウェアなどのデータソースの中から、営業に必要なコンテンツのみが提供される。営業担当者は、さらに、自分にとって最適化した形にポータルをカスタマイズする。各ユーザーが初めからパーソナライズ作業を行う通常のエンタープライズポータルと比較して使い勝手がよく、より効率的に社内情報を活用することができる。

 また、ロールコンセプトにおける「ロール」をデザインするためのテンプレートとして、「ビジネスパッケージ」が提供される。ビジネスパッケージでは、たとえば、経費生産など、ビジネスのさまざまな場面で利用できる180のビジネスパッケージが、11月1日現在で公開されている。

 さらに、ユーザーが独自のポータルアプリケーションを開発するためのツールとして、「Visual Composer」も提供される。上記のビジネスパッケージは細かなiViewの単位群で構成されている。

新たなライセンス体系

 EP6.0のライセンス体系は、「ビジネススイートライセンス」と「ポータル単位で使用可能なライセンス」の2つに分けられる。前者のビジネススイートライセンスは、mySAP Business Suiteとしてワンセットで提供されるもので、ポータルのほかに、ナレッジマネジメント、コラボレーション、さらには、基盤となるR/3、CRM、SRMといった業務アプリケーション、データウェアハウスまで、すべての機能をワンセットで提供される。

 一方、後者のポータルを単体で利用したいユーザー向けはCPUライセンスが適用になる。価格は1CPUごとに2000万円となっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ