欧州Lycosがスパムサイトを「DDoS攻撃」するスクリーンセーバ配布

Lycos Europeはスパムサイトに分散攻撃を与えるスクリーンセーバの配布を始めた。スクリーンセーバによりネットワーク接続されたマシンを利用するという、ある意味SETIに似た仕組みだ。

» 2004年11月27日 07時38分 公開
[ITmedia]

 Lycos Europeは「Make LOVE not SPAM!」と題されたキャンペーンで、スパム行為が確認されているサーバを一斉攻撃するスクリーンセーバを配布している。

 スクリーンセーバはスパムを使って自社製品の宣伝をしているソースサイトに対してリクエストを発行する(サイトを実際に見ることはない)。多くのスクリーンセーバが同時にこのサイトへのリクエストを発行するため、スパムサイトは負荷が高まり、遅くなるという。Lycosの説明によれば、数千台分のスクリーンセーバにより生成されるHTTPリクエストはスパムサイトを完全な停止状態には追い込まないように「状態チェック」が行われるという。完全な機能停止ではないのでDDoSではないという考えだ。

 同社は既に複数のスパムサイトをこのスクリーンセーバにより反応の低下に追い込んでおり、数Gバイトのトラフィックを7つのサイトに送り込み、5%から85%までの範囲でレスポンスを低下させているという。Lycosでは増大したトラフィックにより、スパム行為の利益性を損なうことができると主張している。

 1台のスクリーンセーバから発生されるトラフィックは1日当たり最大で3.4Mバイトになる。Windows版、Mac OS X版、Mac OS 9版が用意されている。

 起動すると、全スクリーンセーバを利用した全ヒット数、発生するトラフィック、スクリーンセーバの数、その中における自分の貢献度、現在攻撃しているスパムサイトの状態が表示され、リクエストを出すたびに、赤く表示されたターゲットに自分のいる場所からリクエストが飛んでいるグラフィックが描画される。

 なお、このキャンペーンは、Lycosが提供しているSPAM対策付きEメールサービスの広告と連動している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ