SAPジャパンは、NetWeaverを、SAPのユーザー企業やシステムインテグレータの技術者向けに詳細に説明するイベント「SAP TechEd '04」を開幕させた。
SAPジャパンは11月30日、中核的なプラットフォームソリューションであるNetWeaverを、SAPのユーザー企業やシステムインテグレータの技術者向けに詳細に説明するイベント「SAP TechEd '04」を、都内のホテルで3日間の予定で開幕した。NetWeaverによる統一的なプラットフォームを構築することにより、ITを基盤にした柔軟な業務プロセスを構築する手法を紹介している。
バイスプレジデントでソリューション統括本部長を務める玉木一郎氏は、R/2、R/3という同社のERP製品の変遷を説明しながら、情報システムをコンポーネントをベースのサービスの集合体として開発していくエンタープライズサービスアーキテクチャ(ESA)へと、今後のSAPのアプリケーションが進んでいくことを強調した。同社は、2007年までに、すべての製品をESAベースにする計画だ。
同氏は、ユーザー企業の一部が、「モジュールベースでシステムを開発すると、独自性が出せないため、競合他社に差別化できないのではないか」と懸念していることを取り上げ、それをフォルクスワーゲンのビジネスを引き合いに否定した。
「フォルクスワーゲンには8つのモデルがあるが、いづれも60%はテクノロジープラットフォームを共有している。」(同氏)
ESAのポイントは、プラットフォームを共有しながら、ビジネスレイヤーで製品としての差別化をすることにあるという。また、生産、流通などいずれの分野でも情報システムは社内外にまたがっており、複雑性を所与のものとして受け入れることがユーザー企業に求められるとしている。それはたとえば、レガシーシステムを使いながら、価値ある新たなシステムを導入することでもあり、NetWeaverはそれを実現するプラットフォームという位置づけになる。
メインスピーカーとして基調講演の壇上に上ったのは、SAP AGでNetWeaverの開発責任者を務めるクラウス・クレップリン氏。
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