今後5年間で10〜15%成長を実現するとCisco、成長の源泉はIP電話などの新分野(2/2 ページ)

» 2004年12月09日 20時40分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
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 「マクロ経済、株式市場、外的要因、内的要因の4つの観点から成長の可能性を分析したとき、その成長幅の平均は10〜15%ほどになる」と、同社シニアバイスプレジデント兼CFOのデニス・パウエル氏は述べている。

パウエル氏 同社シニアバイスプレジデント兼CFOのデニス・パウエル氏

 特に、今後の同社の成長の源泉となる可能性を秘めているのが、アドバンスト・テクノロジ(AT)と呼ばれるIPテレフォニーやセキュリティといった新技術分野の製品だ。従来の中核事業であるルータ製品などが10%程度の成長にとどまるのに対し、AT分野では30%近い伸びが期待できるという。

 ATに対してはチェンバース氏も期待を寄せている。10億ドルの売上を突破したセキュリティ製品に続けとばかりに、IPテレフォニーからホームネットワーク、ワイヤレスなど、AT分野から第2のセキュリティ製品へと成長させることを目標に掲げている。特にIPテレフォニーに関しては、Ciscoの販売台数だけで1日に8000台の従来型電話機をリプレイスさせ、累計で400万台もの売上実績を挙げており、その筆頭候補だといえそうだ。

「賢い」情報ネットワークに向けて

 Ciscoの目標は、高度な機能を持つ製品やサービスをユーザーに提供しつつ、それらをシームレスに接続し、かつユーザーにはその背後に潜む複雑性を意識させないという点である。

 「ユーザーにはセキュリティやIPネットワーク、無線といったネットワークの機能の10%程度が見えるだけだが、その中にはVPNからQoSまで多くのテクノロジが隠れている」とチェンバース氏は説明する。

 同氏によれば、シスコが考えるこのネットワークの進化形態を「Intelligent Information Network(IIN)」と呼んでいる。

 Ciscoが描く既存ネットワークからIINへの進化は、3段階のフェーズに分かれている。まずベースとなる音声やデータ、ビデオ映像などのネットワークをIPベースに移行し、次にセキュリティや伝送媒体などの各種サービス層を仮想化(バーチャライゼーション)で抽象化する。そして最終的に、その上でアプリケーション統合を行うことで、IINが実現できるようになる。同社はIIN実現に向け、今後数年間のうちに、全製品分野を対象に20以上の新製品をリリースしていく計画だという。

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