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» 2004年12月09日 20時40分 公開

今後5年間で10〜15%成長を実現するとCisco、成長の源泉はIP電話などの新分野 (1/2)

Cisco Systemsは「Worldwide Analyst Conference 2004」の中で、アドバンスト・テクノロジ分野を中心に年平均10〜15%の成長を実現するという目標を明らかにした。

[鈴木淳也,ITmedia]

 「Ciscoの戦略を牽引するのは技術ではない。顧客の要望を実現することにある」

 米Cisco Sysmtes社長兼CEOのジョン・チェンバース氏は、12月6日から8日にわたって米カリフォルニア州サンノゼで開催されている年次アナリスト報告会「Worldwide Analyst Conference 2004」の会場でこのように語った。ネットワーク業界におけるトップの地位を確実にしつつあるCisco。その同社が今後5年間の企業ビジョンの1つとして示したのが、「技術の伝道者からシステムの実現者への転換」である。

「生産性向上」への要求がIT需要を生み出す

 チェンバース氏は講演の冒頭、ここ数年間のGDP、IT投資額の推移のスライドを示し、GDPの伸びほどにはIT投資額が向上していないことを指摘した。その反面、企業の生産性(Productivity)の割合は順調に推移しており、IT投資における原動力の1つになりつつある。

 地域別、業種別でさらに分析すると、米国などのIT導入先進国ではGDPの伸びよりも従業員の生産性の伸び率のほうが高く、中でも業界トップ企業ほどその傾向が顕著であるという。

 「顧客の生産性を最大限に引き出すシステムを構築するベンダーとなることが、顧客満足度の向上につながる」と同氏は述べ、Cisco自身が従業員あたりの生産性でトップクラスの企業となりつつあり、自らが見本としてこの戦略を実現していることを強調した。

チェンバース氏 米Cisco Systems社長兼CEOのジョン・チェンバース氏はこのカンファレンスでも、壇上からフロアに降りて熱弁を振るった

 同社が2005年の重点分野と考えているのは、企業向け、エンタープライズ分野だ。同社が各企業のCIOを対象に行った調査によれば、実に95%の企業がビジネス戦略上でIT投資に前向きな姿勢を見せているという。チェンバース氏は、これら企業がIT投資を最適化するにあたっては、まずビジネスプロセス改善が鍵となり、新規アプリケーション導入の前に問題を解決することがその後の成長につながると説明した。

 エンタープライズ分野の中でも特に可能性を見出しているのが、医療(ヘルスケア)と小売(リテール)分野だ。医療業界は全業界の中でも生産性向上への取り組みが遅れている分野であり、また小売分野ではRFIDなどの技術導入によるサプライチェーンの改善で顧客満足度をアップさせることが可能だと、チェンバース氏は説明する。

 Ciscoが注力するのは、エンタープライズ分野だけではない。通信分野やコンシューマ分野にも同様の取り組みを行う。

 通信分野においては、今年5月に発表されたばかりの高性能コアルータ「CRS-1」があり、リリース後半年の時点ですでに4つの企業がCRS-1導入を決定したと発表されている。また、CRS-1はこれまで、1ラックサイズの筐体のみの提供だったが、8スロットのハーフラックサイズの新製品も登場し、サービスプロバイダーにとって導入のハードルがさらに低くなった。

 コンシューマ分野については、2003年に買収した米Linksysが持つ50%という市場シェアを背景に、アクセスルータや無線LAN機器以外の、セットトップボックスやWebカメラなどのネットワーク接続可能な家電機器を積極的にリリースしていくという。

2008年までの成長目標は10〜15%

 Ciscoはまた、今後5年間にわたる成長目標を具体的に提示した。これまで同社が具体的な数値目標を公開したことはなかったことから、今回の発表は業界リーダーの1つの転換期となる出来事として、会場にいた業界アナリスト関係者らが非常に高い関心を示していた。

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