マネージドサービスに期待されるのはセキュリティ・品質・コスト

IDC Japanによれば、企業向けマネージドサービスで利用比率が高いのはネットワーク運用保守関連だった。マネージドサービスに期待するのは、セキュリティとシステムの品質維持、人件費削減であることがわかった。

» 2005年01月06日 21時23分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは1月5日、2004年下期実績に基づく、「2005年国内マネージドサービス利用企業ユーザー調査」の結果を発表した。同調査は、100人以上の従業員規模を有する全国602社の情報システム担当者を主な対象とし、2004年11〜12月にかけて実施したアンケート調査結果に基づき分析したもの。

 これによれば、主なマネージドサービスのうち、ネットワーク運用保守関連サービスがもっとも高い利用比率を占め、次いでセキュリティ関連サービスの支持が高まっているという。

 サービス別に利用状況を見ると、インターネットデータセンター(iDC)では、コロケーションやホスティングのサービス項目は通信事業者が強い一方、付随して提供される運用監視やストレージサービスなどでは、ITベンダーが高い評価を受けている。

 セキュリティサービスでは、情報漏えい対策にもっとも高い関心が寄せられた。また、SI・ソリューションサービスやネットワーク運用保守サービスでは、運用・サポート体制における信頼性が最重視されている。

 IPv6は全体の1割程度の利用にとどまっているが、その一方で、企業は、IPv6ベースのサービスアプリケーション進展に期待しており、比較的安価な課金モデルでのアプリケーション提供が望まれているという。

 企業ユーザーが事業者に期待するマネージドサービスの機能は、セキュリティ確保が第一であり、次いで、ITシステムの品質維持、人件費削減などが重視されている。

 マネージドサービス関連予算の今後の見込みについては、増加傾向を示しており、予算を増加させる企業は、減少させる企業の2倍以上になるという。

 同社リサーチマネージャーの三島俊洋氏は、「高度化・複雑化するネットワーク運用管理に企業が対応するにはコストや技術力などに限界があり、専門事業者にマネージドサービスを求めることになる。サービス事業者は企業が求める最適なサービスの提供に向けてニーズを的確に把握し、アプリケーションの開発・提供に一層の努力を行なうべきだ」とコメントしている。

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