HP BladeSystemはIAサーバ分野の最重要製品、日本HPが戦略を披露

日本HPがブレードシステム「HP BladeSystem」に関する戦略およびロードマップを発表した。2月からは使用量に応じて支払いを行う従量課金型サービスを開始するという。

» 2005年01月17日 20時31分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は1月17日、2004年12月に新ブランドとして立ち上げたブレードシステム「HP BladeSystem」に関する戦略およびロードマップを発表した。2月からは、利用したリソースに応じて支払いを行う従量課金型のサービスも開始するという。

 通常のサーバに比べて大きな集約効果の得られるブレードサーバだが、最近では単なるスペースの節約だけでなく、各地に分散していたシステムの統合やプロプライエタリ環境からLinuxへの移行などを目的に導入を検討するユーザーが増えてきているという。

 こういった市場ニーズの変化を踏まえ、日本HPではブレードサーバ本体のみならず、管理ソフトウェアや導入支援/サポートサービスなどを組み合わせて提供し、ソリューションを強化。ひいては、必要なときに柔軟かつ効率的にリソースの追加を行えるユーティリティコンピューティング環境の実現を支援していく方針だ。

 「必要なときに必要なだけのリソースを提供し、かつ管理の手間やコストを最小限に抑えるユーティリティコンピューティング」とお題目を唱えるのは簡単だが、実際にそうした環境を実現するには、いくつか必要な機能がある。日本HPいわく、そうした不可欠な機能の例が、ハードウェアやソフトウェアといった要素のモジュール化と、そうしてモジュール化されたリソースを必要に応じて分割/統合できるようにする仮想化といった技術だ。仮想化された環境の統合管理やシステム運用の自動化も欠かせない。

 日本HPでは、2004年末にリリースした統合管理ソフトウェア製品「HP Systems Insight Manager ver4.2」やそのプラグインモジュール「HP ProLiant Essentials: Virtual Machine Management Pack」といった管理ツールを通じて、仮想化環境におけるシステム管理を支援するという。これは、マイクロソフトの「Virtual Server 2005」やヴイエムウェアの「VMware」といったサードパーティ製の仮想化ソリューションに対応したものだ。

Systems Insight Manager HP Systems Insight Managerの管理インタフェース

 2005年上半期中には、仮想化環境でのシステム管理機能を強化すべく、ブレードサーバの導入を支援する「Rapid Deployment Pack 2.0」やシステム運用の自動化を図る「Automation Control Pack」といったプラグインのリリースを計画している。これには、ストレージシステムと連携しての管理強化という意味合いも含まれる。

 合わせて、HP BladeSystemの導入支援やユーザー教育といった有償サービスを提供し、ブレードサーバを基盤としたシステム構築を支援する。

 もう1つ特徴的なのは、ブレードサーバに対する従量課金サービスの開始だ。詳細はまだプランニング中というが、顧客側にあらかじめスタンバイ用のブレードサーバを提供しておき、その電源を入れた瞬間から課金を開始するといった形態を検討しているという。

 日本HPでは、エンタープライズ向けのx86サーバビジネスにおいて、HP BladeSystemを最重要製品に位置付け、一連の事業を展開していく計画だ。同社では「一歩進んだ統合管理環境や自動化システムを提供できる点で(他のブレードサーバ製品との)差別化につながる」と説明しており、2005年の国内ブレードサーバ市場で30%のシェア獲得を狙うという。

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