Gartner、MSのセキュリティ戦略は「展望を欠く」と批判

調査会社Gartnerは、MSが最重点目標とすべきは、セキュリティ対策製品の必要をなくすことであり、セキュリティ市場に参入することではないと批判している。

» 2005年02月19日 09時02分 公開
[ITmedia]

 米MicrosoftがRSA Security Conferenceで披露した各種セキュリティ強化策は、同社製品と顧客を守る戦略にはつながらず、依然として展望を欠いている――。そう批判する報告書を調査会社Gartnerが発表した。

 Microsoftはセキュリティ強化の一環として、スパイウェア対策ソフトを無償提供すると表明。これに対してGartnerのアナリスト、ニール・マクドナルド氏は報告書で「Microsoftが最重点目標とすべきは、ウイルス対策/スパイウェア対策製品の必要をなくすことであり、同じような製品を安い価格で提供して単純にこの市場に参入することではない」と断じた。

 IE 7.0をXP向けにのみリリースするという計画についても、古いプラットフォームのユーザーがセキュリティを強化したい場合はアップグレードを強いるというMicrosoftの意図が表れているとマクドナルド氏は分析。責任ある業界のリーダーと見なしてほしいのなら、Windows 2000向けにもIE 7.0を提供すべきであり、セキュリティを念頭に置いてIEのアーキテクチャを根本的に作り直すべきだと提言している。

 Microsoftのセキュリティ戦略は、セキュリティ市場に重大な変化をもたらすとGartnerは予想。MicrosoftはWindowsデスクトップ向けのウイルス対策/スパイウェア対策を組み合わせた製品を今年半ばごろに投入し、これによってSymantec、McAfee、Computer Associatesなどのウイルス対策ソフトベンダーと直接競合するようになると指摘している。

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