Java誕生から10年、サンが「前夜祭」開催へ

異様な熱気に包まれたJavaのデビューから10年──どれだけの人が今日のJavaの普及と応用の広がりを予想しただろうか。メモリアルイヤーの今年、3月10日のJava Computing 2005 Springを皮切りに、サンは3つのJavaイベントを開催する。

» 2005年02月21日 23時56分 公開
[ITmedia]

 1995年5月、カリフォルニア州サンフランシスコで行われたSunWorld Expoカンファレンスのキーノート会場は、異様な熱気に包まれていた。

 まだ、Windows 95のローンチは数カ月待たなければならず、もちろんInternet Explorerもなかった。インターネットの魅力に取りつかれたユーザーたちは、すい星のように現れたNetscape CommunicationsのWebブラウザをダウンロードし、目新しいWebサイトを探し回っていた時代だ。

 ステージのエド・ザンダー氏(当時Sun Microsystems社長)は、「Java」と名づけられた新しい言語を披露し、「Javaで記述されたアプレットは、Webサイトからダウンロードされ、Webブラウザに組み込まれた仮想マシン上で実行される」と紹介した。それまで静的だったWebコンテントが、豊かな表現や操作しやすいインタフェースという動的なものに進化するというのだ。会場を埋めた5000人の来場者は一様に度肝を抜かれ、その秘めた可能性に興奮したが、それでも一体どれだけの人が今日のJavaの普及と応用の広がりを予想しただろうか。

 あれから10年、われわれは大きな節目となるメモリアルイヤーを迎えた。サン・マイクロシステムズは2005年、3つの大きなJavaイベントを開催する。前夜祭的位置付けの「Java Computing 2005 Spring」(東京 3月10日〜11日)、本祭である「JavaOne San Francisco」(米国 6月)、そして後夜祭的位置付けの「Java Computing 2005 Fall」(仮称:東京 11月)だ。

進化を続けるJava

 「Javaが素晴らしいのは、依然として進化を続けているところ。10年という節目の年、Javaは誕生以来、最大ともいえる進化を遂げている」と話すのはサンでJavaテクノロジーエバンジェリストを務める石原直樹氏。

 JavaServer Faces(JSF)はちょうどVisual Basicのようにユーザーインタフェースのドラッグ&ドロップ開発を可能にし、昨年5月に概要が明らかにされたEnterprise JavaBeans(EJB)3.0はバックエンドの開発を劇的に変えようとしている。特にEJB 3.0においては、台頭するオープンソースソフトウェアの成果をはじめ、従来のEJBに投げかけられたさまざまな批判をうまく取り入れている。「これからの10年を見据えたもの」と石原氏。

 3月10日、都内で開幕するJava Computing 2005 Springでは、そのJSF 1.0のスペックを取りまとめたクレイグ・マクラナハン氏(彼はStrutsの開発者として知られている)と、EJBの仕様策定リーダーであるリンダ・デミッチェル氏が来日し、進化を続けるJavaの未来を示してくれるはずだ。

 なお、11日にはNTTドコモの夏野剛氏も基調講演を行うという。

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