開発者の不満解消に取り組むSunとMicrosoft(1/2 ページ)

Sunは先日発表した新しいライセンス方式に関して、またMicrosoftはVisual Basic 6.0のサポートに関して、開発者の不満に向き合おうとしている。

» 2005年03月28日 21時10分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Sun MicrosystemsとMicrosoftは、アプリケーション開発に関する両社の最近の方針に対する開発者の不満を解消するための取り組みを進めている。

 SunはJavaに関して新しいライセンス方式を打ち出した。これは、Javaの全面的なオープンソース化を望む開発者を満足させることを狙ったものだが、同社はその一方で、同言語の互換性を維持するのに腐心している。

 さらにSunは、JavaによるWebアプリケーション開発用の新しいJavaServer Faces(JSF)技術を前面に掲げ、同技術を標準にすることを目指している。しかしこういった動きに冷淡な人々もいるようだ。

 一方Microsoftは、3月末までに同プログラミング言語の有料サポートを打ち切る方針を打ち出しているが、これに対して多くの開発者がVisual Basic 6.0のサポート継続を求めてオンライン署名を行っている(関連記事)。これまでに数千人が署名した。

互換性とのバランス

 この1年間ほど、Sunに対してJavaのオープンソース化を求める声が高まっている。Javaを利用しているIBMやBEA Systemsなどの競合企業も、SunによるJavaの支配を弱めるためにJavaのオープンソース化を求める動きに参加してきた。

 こういった要求を受け、Sunは先ごろ、2つの新しいライセンス方式を発表した。「Java Internal Use License」(JIUL)および「Java Distribution License」(JDL)である。

 JIULライセンスでは、開発者が社内利用に限ってJavaのソースコードを変更することができるが、互換性の維持はユーザー自身にゆだねられている。JDLは、特定のプラットフォーム向けにJavaのデプロイメントを開発する用途に限定されたライセンスである。

 Java開発者のジョセフ・オッティンガー氏は、「実際にJavaをオープンソース化しなくても、オープンソースの利点をJavaにもたらすという意味で、Sunの一連の動きは正しい方向を目指していると思う」と話す。同氏は、エンタープライズJava開発者のオンラインコミュニティー、TheServerSide.Comの編集者を務める。

 オッティンガー氏によると、オープンソースにはユーザーコミュニティーによる貢献というメリットがある一方で、全面的なオープンソース化は公式プラットフォームから逸脱したバージョンのJavaを生み出し、Javaのブランドの価値を損なう恐れがあるという。

 「Sunの立場から見れば、最も危惧されるのは、どこかの大手ベンダーが互換性のないJavaをリリースするかもしれないということだ」(オッティンガー氏)

 Sunのデベロッパープラットフォームグループのジェームス・ゴスリングCTO(最高技術責任者)は、新しいライセンスプラン発表のテレカンファレンスの中で、「われわれは両方の立場の人々のニーズを尊重しており、オープンソースにできるだけ近いライセンス条件とコラボレーション環境を実現しながらも、そのほかの人々が抱いている相互運用性と互換性への期待も裏切らないつもりだ」と語った。

移行への険しい道のり

 .NET技術を本格的に推進しようとしているMicrosoftは、レガシープログラミング言語であるVisual Basic(VB)6.0への強いコミットメントを維持してほしいという要求を突きつけられている。

 3月24日の時点で、VB 6.0の延命を求める請願に3876人の署名が集まっており、これにはMicrosoftからMost Valuable Professional(MVP)の認定を受けた235人の開発者も含まれる。このオンライン請願書は、http://classicvb.org/Petition/に掲載されている。

 VB 6.0からVB .NETへの移行が容易でないという点では、Microsoftもプログラマーも同意見だ。

 MicrosoftのMost Valuable ProfessionalコミュニティーのメンバーであるVisual Basicプログラマーのドン・ブラッドナー氏は、「VB .NETは異なる言語だ。InfoWorldの記事をフランス語で書きなさいと言うのと同じようなものだ」と話している。

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