ある天文系サイトのXOOPS移行事例dev blog/CMS(2/4 ページ)

» 2005年04月14日 14時05分 公開
[木田佳克,ITmedia]

本格稼働までの試行錯誤

 XOOPSのインストールは「5分で完了する」とXOOPS日本公式サイトに書かれている。しかし、これは直前に書かれているようにPHP 4とMySQL、そしてApacheとの連携が整っているという条件の元だ。最初は何度もインストールを繰り返し、本格稼働までには何度もデータを飛ばしてしまった。しかし、この段階でDBのバックアップをサーバ上のcronで万全にしようと悟った。そして、XOOPS上でもDBのバックアップモジュールというものが存在する。筆者も併用している。

デザインを気にしなくて済むのは先のこと

 XOOPSのインストール直後は、かなりキビシイ初期画面を見せる。前もってデザインイメージを持っていなければ、途方に暮れてしまうかもしれない。そうとはいえ、これはXOOPSに限ったことではない。

画面■筆者サイトのページデザインは、CSSから触りだして、ページ体裁のメインとなるtheme.htmlファイルで配置を調整した程度

 XOOPSはCSSで配色や体裁が決められており、ページ上の配置設定などはテンプレートでカスタマイズができる。CSSファイルとテンプレートさえ編集すれば、筆者のサイト程度のカスタマイズは楽にクリアできる。XOOPS日本公式サイトに集う有志には、もっとクールなデザインにカスタマイズしている人が多数居る(関連リンク)。筆者の場合、個性を出すポイントとしては、メニュー周りのカスタマイズ、カスタムモジュールで適度に画像を入れると効果的という程度だ。

画面■日ごろはSamba経由でサーバのWebディレクトリを参照している。画像の作り込みや長い記事の場合はDreamweaverで作っている

 最初はCSSの配色設定を触りだしておぼろげなイメージを固めていった。XOOPSっぽさを払拭することに執着はないが、それでもある程度はオリジナリティを出したいのが心情だ。デザイン確定までは1週間ほど夜な夜な作り込んでいくこととなった。この頃は、天体観測の時間が割かれるという本末転倒? のような状況に……。

画面■themes/下でdefaultディレクトリをコピー、そしてetxsiteにリネームしてからカスタマイズしていった
画面■themes/下に作ったetxsiteディレクトリは、テーマ名としてXOOPSの管理設定に現れる
画面■XOOPSの基本部分はもちろんモジュール個々にも用意されるテンプレート。モジュールアクセスで現れるページデザインから他のページに表示させるブロック表示の場合のデザインなど、ここで編集することができる

 XOOPSのページデザイン(テーマ)は、themes/下に置く任意のディレクトリで管理する。XOOPS日本公式サイトにはテーマデザインに長けた人が集っているため、無償配布のものを使わせてもらうのも手だ。筆者は勉強を兼ねて、defaultテーマをカスタマイズしていくことにした。

優れたモジュールがサイトの付加価値へとつながった

 XOOPSの魅力は、多彩なモジュールにもある。有志による公開モジュールを使わせていただき、うまくサイト内に融合できると、静的なWebサイトでは実現不可能なものが実現できる。これはとても大きな醍醐味だ。しかし、コンテンツが少ないのにモジュールばかりを露出させると、これが俗に言うXOOPSっぽさ全開となってしまうので気をつけたい。控えめがちょうど良いのかもしれない。

画面■筆者サイトのXOOPSモジュール管理画面。モジュール列のフォームにある「掲示板」「リンク」「What's New」などがメニューに現れる文字となる。右側表示順の番号が小さい順に上から並ばせる設定

 筆者のサイトは当初、ノウハウ紹介やレビュー、掲示板程度の内容だった。それがXOOPSによって「カレンダーモジュールがあるのだから……、天文イベントカレンダーを作ってみよう」「画像投稿モジュールがあるのだからゲスト天体写真コーナーを作ってみよう」などと思いを馳せることができた。これは予想以上の効果だったと感じている。企業のプロジェクト開発は例外かもしれないが、スクラッチで作り上げていくCMSではなかなかこう発想が広がらない。コミュニティーで洗練されたXOOPSだからこそ、期待ができるものだ。

 ここで疑問に思う人もいるだろう。ほとんどのモジュールの機能は、CGIで似たようなものがあるのでは? という点だ。しかし、ページデザインをテンプレートで共通にしたり、XOOPSというツール扱いの中で新着投稿などを管理できることが大きなメリットといえる。

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