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» 2005年04月18日 22時40分 公開

ワイヤレス技術が社内ネットワークの革新を促す――米国の事例 (2/2)

[IDG Japan]
IDG
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 オハイオ州コランバスにあるコランバス小児病院では、スマートフォンやPalmOS搭載携帯デバイス、DellのノートPCなど数百台の携帯デバイスを利用している。今のところ、PalmOS搭載PDA(携帯情報端末)の多くは、ユーザーのPCあるいはイーサネット接続用ドックを介してデータの同期化を行っているが、ワイヤレス化も進んでいる。

 同病院のISグループのPCサポートアナリスト、ショーン・クラウス氏によると、病院の幹部は現在、Samsung製デバイスや「Treo」などの携帯端末からVerizonの「1X」セルラーネットを通じて、予定表などのデータを60秒以内で同期化できるようになっているという。

 同病院に配備されたCiscoのWLANも活用されている。現在、緊急治療室の看護師は、トリアージ室間を移動するストレッチャーに取り付けたワイヤレスノートPCを利用して患者の予備データを取り込んでいる。これにより迅速かつ正確にデータを収集でき、しかもそのデータは即座に利用することができる。ショーン氏によると、患者をトリアージ(治療優先順位を決定)するのにかかる時間が半分に短縮されたという。

オフィスから飛び出すワイヤレス

 カンザス州ウィチタにある公共企業Westar Energyでは、Motorola製の2400bpsの無線装置からトラックに搭載した「Panasonic ToughBook」ノートPCに接続するという方法でモバイル従業員管理アプリケーションを運用している。このソフトウェアによって仕事のスケジューリング、現場へのスタッフ派遣、報告業務が迅速化されたが、無線リンク自体はブロードバンドとはほど遠い速度である。

 Westar Energyのモバイルデータ担当技術コーディネーター、サム・ファンク氏は、「われわれは大量のデータを送信するわけではない」と話す。従業員が派遣に備える各地域拠点では、WLANのアクセスポイントの導入が進められている。WLANを利用することにより、地図や写真といった大容量のファイルをトラックにダウンロードできるほか、ネットワーク管理者がWLAN経由で従業員のノートPCを管理することが可能になるという。

 またWestarでは、ウィチタ市と共同でワイヤレスブロードバンドネットワークを構築するプロジェクトに関する話し合いを行っている。このネットワークは、年内に登場予定の802.16 WiMAX無線機器をベースとする予定。ウィチタ市では、このネットワークを同市の公安部門で利用する考えだ。

 「少なくとも市内ではブロードバンドを利用できるようにしたいと思っている」とファンク氏は話す。

 一方、ミシガン州パスカグーラにあるNorthrop Grumman Ship Systemsでは、3カ所の造船所において、いわば「スローモーション型」のモビリティを実現するためにWLANブリッジング技術を利用している。

 Northrop Grummanでネットワークと通信を担当する部門マネジャーのJ・D・ロングマイアー氏によると、これらの造船所では、段階的に移動するモジュラーセクション内で船舶の建造作業が行われている。200人を収容する事務所から小さなツール保管室などさまざまな可動式建物が、これらのセクションと共に移動する必要があるという。

 同社は2004年末、「Cisco Aironet 1300 Access Point/Bridge」をペアにして構築したポイント・ツー・マルチポイント型ワイヤレスリンクを導入することにより、イーサネットケーブルと電源ケーブルを何度も敷設し直すのに伴う費用と作業の遅延をなくすことができた。各ブリッジは、造船所の有線LANを15棟の可動式建物の小規模LANにリンクしている。各建物のブリッジングユニットと有線で接続されているイーサネットスイッチは、PCおよびCiscoのVoIP卓上電話をサポートする。

 ロングマイアー氏によると、これらのワイヤレスブリッジは、Northrop Grummanの「包括的無線充満計画」の一環として配備しているという。「船上を含む必要な場所でデータ/音声接続を可能にする包括的なワイヤレス/VoIPインフラを提供するのが基本的な狙いだ」と同氏は説明する。

 このインフラは、同社の拡大中のアプリケーション/システムポートフォリオの基盤になる。このポートフォリオには、バーコードリーダー、リモートデータ入力システム、電力/圧力/温度監視用のテレメトリー(遠隔計測)システム、有線アプリケーション/システム(計時システムやダム端末など)を置き換えるシステムなどが含まれる。

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