開発アプリ利用を再編するボーランド――SDO初の製品Core SDP出荷へ

ソフトウェア開発の現場は、技術とビジネス、両面からのプレッシャーに追われている。来日されたパトリック・カーバンCTOは、多くの企業が抱える問題定義とBorlandの追求するSDOについて語った。

» 2005年04月19日 14時36分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 2005年1月にコードネーム「Project Themis」として発表されていた実体となる製品、アプリケーションライフサイクル管理ツールの「Borland Core SDP」が国内発表された。5月18日からの出荷となる(価格は後述)。

 Borland Core SDP(以下、Core SDP)は、ボーランドが掲げるアプリケーション開発プロセス簡略化をコンセプトとした「Software Delivery Optimization」(SDO)モデル具体化の第一弾となる製品(関連記事)既報のようにTeraQuest Metricsの買収が相乗にもなっている。

 2004年までの同社プロダクトは、ALM(アプリケーションライフサイクルマネージメント)をコンセプトとする製品として「StarTerm」「CaliberRM」「Together」「JBuilder」「Optimizeit」など、それぞれの統合化を進めることで開発アプリそれぞれを中心とした横つながりを重視してきた。

 しかし、今回発表されたCore SDPでは「ユーザーの役割に基づいたもの」という点が大きく異なるコンセプトへと通ずる。Core SDPのラインアップには「Core::Analyst」「Core::Architect」「Core::Developer」「Core::Tester」それぞれが用意され、名称からも想像ができるように、業務ごとの視点がポイントとなる。より、ビジネス指向へと視野を広げ、ITサービスそのものの効率化を掲げだした形だ。

プラットフォームサービスと呼ぶコア部がCore SDPそれぞれを担う。開発を取り巻く各人の視点で扱いやすい環境を提供するという

 いずれのエディションでも基本サービスとして「Core::Foundation」が含まれることになり、これにはライセンス管理や構成管理などCaliberRMやStarTermなどと協調する役割を担うことになる。

 なお、従来までのStarTermやCariberRMなどの製品が見えなくなるということではなく、前述したように業務やユーザーに基づいたアプリケーションの実態が登場した、という位置付け、と同社コメント。Core SDPの背後では従来の開発ツールとXMLなどでデータ互換を実現しつつ、よりビジネス指向へと再編しだしたことになる。

 価格は製品ごとに明確なアナウンスが避けられた。その理由としては、まず最初にボーランドへのファーストコンタクト(Tel. 03-4560-1100)に始まり、次いでプロジェクト構成のコンサルティングによって、例えばCore::Analystが10セット、Core::Developerが20セットなどと組み合わせになるためという。目安としては1千万〜1千500万円とのこと。

 また、SDOの要とも言えるプロセス改善のノウハウ提供は、TeraQuest人員によるコンサルティングが継続される。当初は米国からの出向となるが、国内でもサービス提供ができるよう体制を整えていくという。TeraQuestによる国内事例として、ソニー、NTTデータ通信も挙げられた。

TeraQuestによるプロセス改善導入実績

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