Borlandの次の一手は「SDO」、目指すはソフトウェア開発のための「ERP」BorCon 2004 Report(1/2 ページ)

Borlandはサンノゼで開催中のBorCon 2004で「Software Delivery Optimization」ビジョンの詳細を明らかにした。企業価値の最大化を狙うERPと、そのコンセプトは同じだ。

» 2004年09月14日 10時55分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 米国時間の9月13日、カリフォルニア州サンノゼで開催中の「Borland Conference 2004」は月曜の朝を迎え、ゼネラルセッションやスポンサーキーノートが行われた。前夜祭の余韻もあり、「まるで土曜か日曜みたい」と話すデベロッパーらとボールルームに向かう。ステージでは、和太鼓が連打され、BorConの本格的な開幕を告げる。しだいに大きなうねりとなって、ずしりと腹にくるパフォーマンスは、30年前に日系3世らによって創設された「San Jose Taiko」だという。

デベロッパー担当のデビッド・インターシモン副社長も飛び入りで太鼓を叩いて会場を盛り上げた

 前夜のオープニングキーノートでBorland Softwareのデール・フラーCEOは、「Software Delivery Optimization」(SDO)をぶち上げ、さらなる前進を約束したが、このゼネラルセッションではデモを交えながら、その詳細が明らかにされた。

 ソフトウェア開発者は、時にとして創造主のように崇められる特別な存在だ。Borlandは創立以来21年、「クラフトマンシップ」を掲げ、彼らが求めるツールを提供してきた。それが同社のDNAといえる。しかし、ソフトウェア製品全般を統括するボズ・エロイ上級副社長は、「ソフトウェアは開発がすべてではない。ビジネスニーズに基づき、迅速にデリバリーされてユーザーに使われなければその価値を十分発揮できない」とゼネラルセッションで話す。

「ソフトウェアのビジネス価値」を最大化するBorlandのアプローチを話すエロイ氏

 ビジュアル開発やIDE(統合開発環境)のパイオニアを自負するBorlandは2002年秋、その進化の過程で、StarBase、TogetherSoftを相次いで買収、「Borland ALM」(Application Lifecycle Management)の完成を急いだ。同社のDNAをソフトウェアのサプライチェーン全体に拡大していく取り組みといえる。

 このALMが、エンタープライズアプリケーションの「SCM」(Supply Chain Management)にあたるものだとすれば、SDOのビジョンは「ERP」(Enterprise Resource Planning)と同じコンセプトだとエロイ氏は説明する。ビジネスニーズとITの橋渡しを行い、質の高いソフトウェアを期限内に、しかも予算内で配備するSDOこそが、「ソフトウェアのビジネス価値を最大化できる」とエロイ氏。

ソフトウェア開発を管理可能なプロセスに

 ステージでは、「iPet.com」という仮想のオンラインショップが、クーポンによるディスカウントの機能を実装していく一連のプロセスがデモされた。

 CEOとCIOは、ライバルに負けじと、早急にディスカウント機能をサイトに追加する必要に迫られ、ディスカッションを始める。プロジェクト計画・評価ツール「ESTIMATE Professional」(8月に買収)の力を借り、必要なリソースやコスト、市場投入までにかかる期間といった、ディスカウント機能の追加に伴うリスクを事前に予測する。ESTIMATE Professionalがはじき出した予測を基に、CEOとCIOは、ビジネス上不可欠な機能追加だという点で合意し、要件管理ツールの「CaliberRM」では高い優先度を付け、要件を登録した。

 CaliberRMでプロジェクトの優先度を確認したアーキテクトは早速、「JBuilder X」に組み込まれたUMLモデリングツール、「Borland Together」によって設計に変更を加え、デベロッパーにタスクを与える。

 その後、コードは、テスターのQA(Quality Assurance)を経て、運用管理者が配備を行うが、これら一連のプロセスは、要件、リソース、タスク、アセット、そしてワークフローを管理してくれるCaliberRMと「StarTeam」がきちんと支えている。Borlandでは、この2つの製品が新しいSDOビジョンの基盤となるものであり、ソフトウェア開発を予測不可能な職人芸から管理可能な一連のビジネスプロセスに変革してくれるとしている。

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