Intel、新事業部体制での初決算は売上高、利益ともに好調

Intelの1〜3月期の決算は、ノートPCプラットフォーム向け製品への旺盛な需要に支えられ、売上高、利益ともに予想を上回った。(IDG)

» 2005年04月20日 16時49分 公開
[IDG Japan]
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 米Intelは4月19日、モバイルプロセッサの好調な販売に支えられ、1〜3月期の売上高が事前予想の上限に達したと発表した。

 4月2日を期末とする1〜3月期の売上高は前年同期の81億ドルから17%増加して94億ドルとなり、同社が期中に示した予想範囲の上限を達成した。同社は3月、1〜3月期の売上高が92億〜94億ドルになるとの見通しを明らかにしていた。Thomson First Callがまとめたアナリスト予想の平均は、この予想範囲の中間の93億ドルだった。

 純利益は22億ドルと前年同期の17億ドルから25%伸びた。1株利益は0.34ドルとなり、アナリスト予想の0.31ドルをかなり上回った。

 1〜3月期のプロセッサ出荷全体は10〜12月期と比べて横ばいだったが、モバイルプロセッサの出荷は過去最高を記録したとIntelは述べた。同社は1月、「Sonoma」のコードネームで呼ばれていた第2世代のCentrinoノートPCプラットフォームを発表し、このプラットフォームを構成する新型モバイルチップとチップセットに製造リソースを迅速に重点配分していくと表明していた。

 特に欧州とアジア太平洋地域でノートPCプロセッサへの旺盛な需要が見られ、とりわけ中国とインドが顕著だったと、Intelのポール・オッテリーニ社長兼最高執行責任者(COO)は決算発表に続いて開かれた電話会見で語った。

 だが、ノートPC部品は1〜3月期を通じて供給不足だったと、Intelのアンディ・ブライアント最高財務責任者(CFO)は述べた。Intelは2004年半ば、上半期に積み上がった過剰在庫を一掃するために減産した。だが、10〜12月期には需要が予想以上に強くなったためにIntelは生産対応に追われ、1〜3月期の初めには供給問題が生じた。

 期末にかけて状況は改善したが、その度合いはIntelにとって満足のいくものではなかったとブライアント氏は述べた。

 IT業界の現状に対するIntelの見解の大部分は、Sun MicrosystemsやIBMなどIT大手他社が先週発表した見解よりはるかに明るいものだった。Sunは、Intelと競合するAMDのチップを採用したサーバを製品ラインに加えて会社の立て直しを進めているが、苦戦が続いており、IBMはサービス事業の不調から四半期利益が市場予想を下回った

 Intelは、同社製品への需要は旺盛で、本物だと見ているとブライアント氏は語った。昨年、Intelは需要の堅調な伸びに気付いたが、顧客のPCベンダーやサーバベンダーの在庫が増えるのではないかと案じていた。だが、Intelの顧客は同社製チップを組み込んだPCやサーバを作るそばからどんどん出荷しており、こうした心配は既に薄らいでいると同氏は述べた。

 一部のアナリストは、2005年の今後のPC市場の成長鈍化を懸念している。だがIntelは現在、今年下半期には例年どおり需要が増大すると見込んでいるとブライアント氏は語った。「かなり良い環境の中で、いつものようなビジネスの活況が期待できる」

 Intelは4〜6月期の売上高を86億〜92億ドルと予想している。半導体企業やPC企業では4〜6月期は通常、1年の中で業績が最も低い四半期だ。1〜3月期も季節的要因で低調な四半期と考えられている。

 ブライアント氏によると、設備投資はIntelの従来見通しを上回る額になる。65ナノメートルプロセス技術に対応した新しいチップ製造設備の導入を進めているためだ。Intelは年末までに65ナノチップの顧客向け出荷を開始する予定で、この新しい製造技術への移行の初期成果に満足しているという。

 今回発表された1〜3月期決算の業績は、デジタルエンタープライズ事業部やモビリティ事業部などから成るIntelの新しい事業部門体制での初めての業績だ。Intelは数週間以内に米証券取引委員会に提出する10Qレポート(四半期報告書)でこの2部門の売上高と損益を開示し、今後の決算発表でもこれらの開示を行っていくとブライアント氏は語った。

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