インテルは1月19日、ノートPC向けCPU7モデルと新しいチップセットを正式に発表した。今回登場したCPU、チップセットとすでに発表されている無線LANモジュールを組み合わせたノートPC向け新技術はこれまで「Sonoma」という開発コード名で知られていたもの。
この新技術を採用したノートPCが日本国内の大手PCメーカーから多数発表され、すでに出荷も始まっているが、それから遅れること2週間でようやくインテルから正式に発表されたことになる。
今回登場したチップセットは「モバイル Intel 915 Expressファミリー」と呼ばれるもの。2004年に行われたCOMPUTEX TAIPEI 2004などで「Alviso」という開発コード名で呼ばれていた「モバイル Intel 915ファミリー」のノースブリッジに「ICH6M」をサウスブリッジとして組み合わされる。
モバイル Intel 915ファミリーは「Intel 915GM」「Intel 915GMS」「Intel 915PM」「Intel 910GML」の4モデルが用意。それぞれの主要なスペックは以下のとおりだ。
モデル | FSB | 内蔵グラフィックス | メモリ(このほかPC2700をサポート) |
Intel 915GM | 533MHz | Intel GMA 900 | DDR2-533/400(デュアルチャネル) |
Intel 915GMS | 533MHz | Intel GMA 900 | DDR2-400(シングルチャネル) |
Intel 915PM | 533MHz | −(PCI Express X16) | DDR2-533/400(デュアルチャネル) |
Intel 910GML | 400MHz | Intel GMA 900 | DDR2-400(デュアルチャネル) |
モバイル Intel 915ファミリーのスペックは、FSB 533MHzに対応し、PCI Express、デュアルメモリバス、DDR2-533MHzのサポートなど、デスクトップ向けチップセットIntel 915ファミリーにほぼ相当する。このうち、Intel 910GMLはCeleron M対応のチップセットになる。
チップセットに内蔵されたグラフィックスコアもデスクトップ向けチップセットに組み込まれた「Intel GMA 900」と同じ構造。Direct X 9にハードウェアで対応するが、インテルの説明では、コアクロックがデスクトップ向けチップセットよりも低めに設定され、負荷にあわせてクロックが変化するという。コアクロックの最大値はIntel 915GMで200MHz、Intel 915GMSとIntel 910GMLで160MHz。
FSB 533MHz対応の統合型チップセットとして、Intel 915GMとIntel 915GMSが登場するが、Intel 915GMSは小型パッケージを採用。ほかのチップセットのダイサイズが37.5×40ミリであるのに対し、Intel 915 GMSは27×27ミリとなっている。
小型化のためにサポートするメモリはDDR2-400までで、メモリバスもシングルチャネルとなっている。ただし、チップセット内に組み込まれているメモリコントローラは、ほかのモバイルIntel 915ファミリーと同じもの。
サウスブリッジとして組み合わされるICH 6Mのスペックはデスクトップ向けサウスブリッジのICH6とほぼ同じ。Serial ATAの電力管理などパワーマネジメント関連機能が追加されている。
なお、チップセット単体の出荷価格は明らかにされていないが、Pentium M 770とIntel 915GM、Intel PRO/Wireless 2915ABGを組み合わせた場合の1000個出荷時で7万4360円、Pentium M 770とIntel 915PM、Intel PRO/Wireless 2915ABGを組み合わせた場合で同じく7万3940円となる。
CPUで発表されたのはFSB533MHzに対応した「Pentium M 770」「Pentium M 760」「Pentium M 750」「Pentium M 740」「Pentium M 730」の6モデルと、省電力バージョンの「低電圧版 Pentium M 758」「超低電圧版 Pentium M 753」の2モデル。それぞれの主な仕様は次のとおり
モデル | 動作クロック | FSB | TDP |
Pentium M 770 | 2.13GHz(バッテリーモード800MHz) | 533MHz | 27ワット |
Pentium M 760 | 2GHz(バッテリーモード800MHz) | 533MHz | 27ワット |
Pentium M 750 | 1.86GHz(バッテリーモード800MHz) | 533MHz | 27ワット |
Pentium M 740 | 1.73GHz(バッテリーモード800MHz) | 533MHz | 27ワット |
Pentium M 730 | 1.60GHz(バッテリーモード800MHz) | 533MHz | 27ワット |
低電圧版Pentium M 758 | 1.50GHz(バッテリーモード600MHz) | 400MHz | 10ワット |
超低電圧版Pentium M 753 | 1.20GHz(バッテリーモード600MHz) | 400MHz | 5ワット |
モデル | 動作電圧 | 価格(1000個出荷時) |
Pentium M 770 | 1.260〜1.372ボルト(バッテリーモード0.988ボルト) | 6万7190円 |
Pentium M 760 | 1.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト) | 4万4620円 |
Pentium M 750 | 1.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト) | 3万1010円 |
Pentium M 740 | 1.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト) | 2万5420円 |
Pentium M 730 | 1.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト) | 2万2040円 |
低電圧版Pentium M 758 | 1.116ボルト(バッテリーモード0.988ボルト) | 2万9960円 |
超低電圧版Pentium M 753 | 0.940ボルト(バッテリーモード0.812ボルト) | 2万7630円 |
構造は従来のPentium Mで採用されているDothanコアで90ナノプロセスルールにL2キャッシュ容量が2Mバイト。Windows XP SP2と組み合わせることでセキュリティ機能が有効になるエグゼキュート・ディスエーブル・ビット機能がサポートされた。
また、同日インテルからはCeleron Mの新製品「Celeron M 370」と「超低電圧版 Celeron M 373」も発表された。主なスペックは以下のとおり。
モデル | 動作クロック | FSB | 動作電圧 | TDP | 価格(1000個出荷時) |
Celeron M 370 | 1.50GHz | 400MHz | 1.260ボルト | 21ワット | 1万4130円 |
超低電圧版Celeron M 373 | 1GHz | 400MHz | 0.940ボルト | 5ワット | 1万6980円 |
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