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» 2005年04月20日 18時52分 公開

RFID普及の鍵、Gen 2タグのコストダウンはいつ?

昨年12月に標準仕様が策定されたことにより普及が期待されるRFIDだが、米サプライヤー各社が投資を回収できるのは、まだ何年か先だという。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 Wal-Mart StoresやTargetなどの小売業者から商品納入のためのパレットやケースにRFIDタグを付けるよう義務付けられたサプライヤー各社は、次世代のRFIDタグによってコストの削減を期待できる。

 だが、そうしたコストダウンは、多くのサプライヤーが望んでいるほど早くは起きない。米シカゴで先週開かれたRFID Journal Liveカンファレンスで、サプライヤー各社のIT部門幹部は、ビジネスケースとRFID収集データの用途を検討した結果、タグの費用が10セントを切らない限り、メリットは得られないという結論だと述べた。

 「Gen 2(UHF Generation 2規格)で実現が期待されるのは、皆が同じ規格を使うことによってコストが下がることだ」とTyson Foodsの最高技術責任者(CTO)、ギャリー・クーパー氏は語った。「コストが下がることを切実に願っている。当社は年間何億ものケースを動かしており、この商売は本当に薄利だからだ。20セント掛ける数億を計算してみてほしい」と同氏。

投資効果を得るためには

 クーパー氏によると、現状、TysonがWal-Martのダラス地区流通センターに向けて出荷するパレットとケースの約90%がタグ付きとなっている。同氏は、Tysonでは来年末か2007年にRFID投資を回収できるようなビジネスケースモデルを打ち立てたと付け加え、しかしTysonが投資の見返りを得るにはタグのコストが1けた台になる必要があると説明した。

 RFID技術規格を策定し推進する非営利団体のEPCglobalは、昨年12月、Gen 2の仕様を最終確定しており、これに対応した新しいタグは今年リリースされる見込み。タグメーカーやコンサルタント、小売業ITアナリストらは、Gen 2タグの単価が10セントを切るには1〜5年かかるだろうと述べた。

 Pacific Cycleの情報サービス担当ディレクター、エドウィン・マシューズ氏は、タグのコストが今後18〜24カ月間に7セントに下がらない場合、同社にRFID技術の採用を求めている小売業者と「話し合いを持」つ必要があると語った。

 マシューズ氏は、小売業者の要求について不満があるわけではなく、より多くの小売業者がRFID化の流れに乗ることで、RFIDタグの流通量が増え、タグ価格の下落が進めばと願っていると言う。「まさにコスト=タグだ」と同氏。

ビジネスケースが見えてきた今……

 Gartnerのアナリスト、ジェフ・ウッズ氏によれば、サプライヤーの一部が堅実と思われるRFIDビジネスケースを打ち立てた今、タグコストの問題は9カ月前より大きくなっている。

 「6〜9カ月前のビジネスケースは希望的観測か信仰のようなものだった。今日、われわれは、ビジネスケースのあるべき姿について、ある程度合理的な手掛かりを得たが、サプライヤーは現状のタグコストを精算するチャンスがつかめていない」(ウッズ氏)

 Wal-Martに届けるパレットとケースのうち、RFIDタグ付きのものの割合がわずかしかないサプライヤーの場合、投資の回収には程遠い。

 「もっと大量にならないと、データが役立つものにならない」と、ある大手消費材メーカーのRFIDプロジェクトマネジャーは言う。このメーカーは、Wal-Martにタグ付きのパレットとケースを少量しか出荷していない。だが、タグの単価が1けた台まで下がらなければ大量に扱うのは不可能だと、匿名希望のこのプロジェクトマネジャーは言い添えた。

 「これは究極の鶏と卵のシナリオだ」とAMR Researchのアナリスト、デニス・ゴーハン氏は指摘した。「タグのコストが下がらなければRFID化する会社は増えず、RFIDを使う会社が増えなければタグのコストは下がらない。各社は窮境に陥っている」

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