Ciscoの特許侵害は「110製品、損害88億ドル」――原告企業が明らかに

ConnecTelは、110種のCisco製品が同社特許を侵害していると主張している。(IDG)

» 2005年05月09日 19時04分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Cisco Systemsを特許侵害で訴えているマイアミビーチの企業が、特許侵害にあたる製品110種を特定した。損害額は合計で88億ドルに上るという。

 ルーティング技術を開発しているConnecTelは昨年、同社創設者のアレン・カプラン氏が1990年代に発明した一連の技術をCiscoが対価を払わずに利用しているとして訴訟を起こした。同社は5月3日にテキサス州マーシャルのテキサス東地区連邦地裁に訴状を提出した。

 ConnecTelは訴訟を起こした時に、同社の特許を侵害しているルーティング・スイッチング製品も、金銭的な損害も特定していなかったが、今回の訴状ではその両方を明らかにしている。

 ConnecTelが特許を侵害しているとして挙げた110種の製品には、Ciscoの新しいコアルータCarrier Routing Systems、インターネットルータ1200シリーズの特定のモデル、Catalyst 6500および400シリーズのスイッチ、IOSルーティングソフト、またLightStream 1010 ATMスイッチなどの販売終了した製品が含まれる。

 申し立ての中心となっているのは、帯域や可用性、セキュリティ、ユーザーの優先順位など複数の要因に基づいて最適なデータ経路と伝送方法をリアルタイムで選択できるインテリジェントデータルーティングシステムだと訴状には記されている。カプラン氏は1996年にこの技術の特許を出願した。

 カプラン氏はもともと、宗教的奉仕活動のFAXの送信を合理化する方法としてこのルーティング技術を開発した。同氏とそのパートナーはこのルーティングシステムを製品化するためにConnecTelを設立したが、同社は製品自体は製造せず、他社に技術をライセンスするやり方を選んだ。

 ConnecTelは自社の技術をCiscoに紹介し、ライセンス供与を持ちかけたが、Ciscoはその申し出を断り、後にこの技術を使った製品ラインを開発したと訴状には記されている。

 Ciscoはこの訴訟について、次のような声明文を発行している。「訴状を読んだ結果、CiscoはConnecTelの主張が根拠のないものであると考えている。われわれは独自の世界規模の製品と技術を開発することで市場における競争で成功している」

 「ConnecTelの主張とは逆に、Ciscoに対して、この訴訟で問題になっている特許をライセンス供与するという申し出はなかった」(声明文より)

 「Ciscoはこれらの根拠のない申し立てに対して積極的に弁護することを楽しみにしており、法廷で勝利すると確信している」とCiscoは述べている。

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