SEが自分の「売り」を見極めるために現場から見るSEの自力(3/4 ページ)

» 2005年05月13日 00時00分 公開
[杉山正二(アールエスコンポーネンツ),ITmedia]

 だがここで、皆さんが心配しなくて済むよう、断言しておきたい。この両方がともに高いレベルでできる人はほとんどいない。自分はどちらが好きか、どちらの作業をやっているときが楽しいか、どちらが得意かを自問自答してみてほしい。周囲の人に尋ねてみるのもいいだろう。両方の能力を高める必要はなく、得意な方に磨きをかけるべきである。

 だが、そうは言いつつも、両者について最低限のスキルは要求されるので、訓練で高めておきたい。

抽象化の方が難しい?

 多くの人にとって、抽象化の方がより難しいはずである。また、設計や構築の「How to」を解説した書籍は豊富にあるので、ここでは、少し抽象化について触れておこう。

 このときに、アーキテクチャ(システム設計の考え方、モデル)が重要になってくる。最近は、エンタープライズアーキテクチャ(EA)がもてはやされているが、この概念自体は既に1980年代後半には提唱されており、事実、私も10年以上前にEAのフレームワークでビジネスやシステムのアーキテクチャを定義し、システムの導入に応用していた。

 当時から、ビジネス(業務)やデータをいかにモデル化して、その本質を捉えるかが、いいシステム作りの一歩であったと記憶している。できる限り、物事を大きな視点で捉えるようにし、それから細かいところに目をやっていく、すなわち、森全体を把握してから個々の木々を理解していくような癖をつける。

 弊社のビジネスを例に、データモデルの理解方法を説明すると次のようになる。

 工業用部品のカタログ通販で、製造部門をもたず、サプライヤー(仕入れ先)から工業用の部品や製品を仕入れて、自社で在庫管理し、お客様から受注に応じて、即日出荷する。

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