SEが自分の「売り」を見極めるために現場から見るSEの自力(1/4 ページ)

SEは自分の能力を客観的に評価できているか? 自分の売りを見極めよう。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

» 2005年05月13日 00時00分 公開
[杉山正二(アールエスコンポーネンツ),ITmedia]

  杉山正二(アールエスコンポーネンツ 取締役)

 前回は、ユーザーから信頼されるのはどんなSEかをコミュニケーション能力の観点から考えた。今回も、SEが持つべき本質的なスキルについて、別の側面から考える。

 本題に入る前に、前回の演習「ニューヨークに最も早く、かつ安く行く方法を教えてほしいと尋ねられたらどうする?」の解答。前回の話をよく理解された方にとっては難しくないだろう。カギは、最初に質問の理由を聞くこと。すなわち、相手の目的を確認し、共有すること。なぜ、ニューヨークに早く、かつ安く行かなければならないのか? この結果によって、考えるべきことは違ってくる。

 たとえば、「ビジネスの契約を締結するため」や「事故で入院している友人を見舞うため」などであれば、解決策は、素直に早く安く行く方法を提示することであろう。

 しかし、「見積書を届けるため」とか、「ミーティングを開くため」などであれば、国際宅配便や電話/ビデオ会議なども十分解決策になるかもしれない。あるいは、単にあなたの知識を問うているだけかもしれない。このように、理由(目的)を確認しないで解決策を検討すると、最善策を提案できないだけではなく、的外れな解決策を提示してしまうことにもなりかねない。

 さて、本題。コミュニケーション能力の次にSEに求められる本質的なスキルは何か?

 それは、「抽象化」と「具体化」という能力である。SEの仕事は、ユーザーが求めるものを理解した後、それを情報システムとして具現化することにある。ただそれだけである。

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