インドの大学教授がオープンソースライセンス代替案

インド工科大学のファタック教授は、制限の多いGPLの代替となるライセンスを、BSDをモデルに考案中だという。(IDG)

» 2005年05月14日 07時51分 公開
[IDG Japan]
IDG

 GNU General Public License(GPL)は派生物に適用するには制限が多すぎるとして、ムンバイのインド工科大学(IIT)教授が代替となるライセンスに取り組んでいる。このライセンスでは、オープンソースプログラム派生物から商業的利益を得ることが可能となる。

 Free Software FoundationのGPLでは、派生物はオープンソースコミュニティに寄贈される必要があり、往々にして創造性を阻害してしまうと、IITでITを担当するディーパック・ファタック教授は5月12日、IDG News Serviceに語った。

 GPLのバージョン2では、当該プログラムの派生物については同ライセンスに基づいてすべてのサードパーティにライセンスされるべきだと規定している。

 ファタック教授は、デベロッパーとユーザーはオープンソースライセンス条項を改変する問題に直面していると指摘する。

 ファタック教授はカリフォルニア大学のBSD(Berkeley Software Distribution)ライセンスモデルを気に入っている。ファタック氏はBSDライセンスを改変し、永続性のあるライセンスにしたいと考えている。「この方法ならライセンスの元の記述者でも変更することはできないだろう。デベロッパーとユーザーはライセンスの改変により脅かされることもなくなる」と同氏。

 BSDライセンスは、ソースとバイナリの両方で、クローズドとオープンソースの両方で改変の有無にかかわらず、ソフトウェアの再配布を認めている。BSDライセンス下のソースコードは基本的にユーザーがコードを自由にでき、ほとんど制限はないとファタック氏。

 ファタック教授はインドの中でどれだけのデベロッパーや教育関係者がこの計画を支持してくれるかは分からないという。「いまは単なる私の考えだ」と同氏。

 デベロッパーが派生物をコミュニティーに提供する必要がないということで、オープンソース運動が息切れを起こすことはない、とファタック氏は主張する。「このライセンスは現実的な状況を、より的確に反映したものとなる」と同氏。例えて言うならば、聖書やバーガバッド・ギータからの派生物で利益を得ているものは数多くあるが、これによってこれらの聖典に対する理解はより深いものになっているはずだ、とファタック氏は付け加えた。

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