「気の利く技術者」の条件(2/3 ページ)

» 2005年06月06日 05時29分 公開
[吉田育代,ITmedia]

むやみに人を信じないこと

 宮氏はまた、技術者には人のいうことをむやみに信用しない資質も必要だという。たとえば、ハードウェアやソフトウェアのベンダーが新製品を発表する。それをそのままうのみにして目を輝かせながら「今度の製品はすごいですよ」と触れてまわる“だまされやすい”技術者は問題なのだそうだ。

 「ベンダーの発表内容には、マーケティング的粉飾が含まれていることが多いので、実際に見て、類似の製品と比較して、どういったシステムになら使えるかという見極めを自分でする。いい意味でクールな、悪く言えばちょっと斜に構えた部分がなければ、確かなシステムを構築することはできず、顧客に満足していただくことはできません」(同氏)

 宮氏自身は採用活動の際にどのように技術者を見極めているのだろう。専門がシステム開発かシステム運用かで若干見るポイントは違うそうなのだが、どちらにしても「ダメ」なのは、前職で大企業に所属していた人だそうだ。

 大企業では仕事が細分化されすぎていて、一人のエンジニアの担当領域が狭いことが多い。前の仕事でしていたことをよくよく聞いてみると、ある特定のネットワーク機器の稼動状態を見ていただけだったりして、即戦力にならないという。

 では、中堅中小企業でシステムまわりを何もかも一人で見ていた人ならいいのかというと、それもダメなのだという。そういう人は我流が身につきすぎて、組織の中でルールを遵守しつつ開発・運用を行うことが難しい。

 「キャリアアップのため」という転職理由で応募してくる技術者も、宮氏は懐疑的に見ている。そういう人に自分のキャリアを真剣に考えている人は少なく、給料の吊り上げだけが目的のジョブホッパーだったりするケースが多いのだそうだ。

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