これを読んでいる読者は思うだろう。「じゃあ、一体どんな人間なら雇うのか」と。そう、審査が厳しいから宮氏の会社に入るのは難しい。しかし、チャンスがないではない。同氏が技術者を見極めるポイントは大きく2つある。1つは、大言壮語しない人。もう1つは、仕事以外に仕事に近い何かをしている人。
たとえば、ある技術について詳細を聞いてみる。はったりで語りまくる人もいれば、「確かこうだったと思うんですが、よく知りません。教えてください」という人もいる。宮氏は後者を選ぶ。何もかも知っているふりをする人よりは、知らなくてもいいから、会話のキャッチボールでそれを吸収しようとする人の方が見込みがあるという。
また、すぐれた技術者の多くは、本業のほかにIT分野で何かテーマを持っていて、コミュニティーに参加していたり、自分でコツコツと調査研究したりしている。
「“今、個人的にどんなことに興味を持っていますか”と尋ねて、IT分野の話が返ってきたら、この人は有望だ、と思いますね」(宮氏)。
宮 紀雄(インフォサイエンス株式会社 代表取締役社長)
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