「インターネットの縮図」を描くShowNet(3)Interop Tokyo 2005特集(2/3 ページ)

» 2005年06月10日 22時39分 公開
[ITmedia]

沖本 いろんな可能性を秘めていると思います。立ち位置が変われば見方も変わるので…通信と放送、どちらがどう巻き取るか、吸収するとかそういうことじゃなくて、どうやれば共存できるかだと思うんですよ。キャリアの帽子をかぶると、NTT西日本は、直接放送事業を手掛けるつもりはないですが、放送事業者さんが発展するような“通信技術”を追求していきたいと考えています。つまり、放送には放送のいいところがあるし、通信は通信のいいところがある。お互い、うまく連携すればもっといいものが生み出せるんじゃないか。そういうことを考えながら毎年いろいろ試してみて、実際にCATV局などと連携して配信するなど、いろいろなチャレンジをしている。その中から次の新しいスタイルを見出していければと思います。

一度味わったらやめられない? ShowNetの醍醐味

ITmedia 話を変えて、このネットワークを動かしていく「人」の部分について、コミュニティを担うという意味合いからSTMプログラムについてお聞かせください。

西川原 世の中にはいろんなイベントがありますが、InteropのSTMというのは、他にはないものだと思っています。学生や社会人などいろんな人に参加していただいていますが、実際に現場に入って、キャリアやベンダー、オペレータなど、いろんなジャンルの異なる人たちとコミュニケーションをとることで「自分の輪が広がった」と言ってくれる人もいて、すごくいい機会を設けられたかなと思っています。これこそ、他のショウには見られない、Interopのいいところではないかと。自分も参加したいと思えば手を挙げて参加できる、普段ならば触れないものを自分で組み合わせて大きなネットワークを作っていくという部分ですね。

ITmedia 会場で走り回っている様子を傍目に見ていると非常に大変そうに見えますが、STMとしての醍醐味とは?

海崎 あそこにいるとみんなが仲間で、ひとつのものを作れるという面白さがあって、充実感がありますよね。終わると「ああ疲れた」と感じるのもあるんですが、同じ時期になるとまたむずむずしてくるという……(笑い)。

沖本 共通のゴールを達成するという快感を一回味わってしまうともうだめですね。確かにスケジュール的につらい部分はありますが、一緒にShowNetを作って動かして、できた、というのがなんとも言いがたい達成感。これを味わえる場というのはなかなかありませんからね。その中で培われた絆というのもなかなか固くて、Interop以外のイベントをやるときにも同じような感じで一緒に取り組んでいます。

ITmedia これだけネットワークがインフラ化してしまうと、なかなか今の若い人が、一から新しいネットワークを作る機会はありませんしね。

沖本 だいたい世代としては僕らのところが境目かな……いろいろチャレンジできた僕らのころまでは、多少いろいろやってネットワークが落ちても、実験だということで許されてきた部分がありましたが、その後の世代は、「ステーブルに動いているネットワークに何しよるん」っていう具合に、なかなか触らせてもらえない部分がありますね。

西川原 レイヤ1から7まで、ひょっとするとレイヤ8まで、下から上まで自分でデザインして作って動かすっていう機会は、この場でしかないと思うんですよ。

西川原氏 トランスコスモスの西川原義則氏

 これまでに3回、STMの説明会を行いました。今年はこの説明会に参加し、意義や概要を聞いていだいたうえで応募していただく、という形を取っています。いざ現場に来てから「思っていたこととちょっと違う」ということをなくすためです。そのためか、かなりイメージできたうえで応募していただいている方が多いと思います。今年来た人には、「来年もまたぜひやりたい」と思ってもらえればと思います。

 今年からの新しい取り組みとして、Interopの会期中にSTM説明会を開催します。やはりInteropの会場に来ていただいて、現場の雰囲気を分かっていただいていれば、NOCやSTMがどういうことをやっているかなど、実際の作業への印象や理解がそれだけ深まると思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ