ITmediaをはじめとしたインターネットの情報、矢継ぎ早に出版される書籍、雑誌などなど。多様なベンダーとのつきあいがある分、場合によっては顧客のほうが豊富な知識を持つケースも多いかもしれない。新しい知識や情報の量で勝負し続けられるSEは、実はかなり少ないのだ。
2点目は、システム開発現場の構造変化に起因するものだ。
アウトソーシングやオフショア開発の進展が進み、開発現場は建設現場並みの重層構造で営まれている。昨今の人月単価は100万を切っていることも多く、場合によってはインドや中国の台頭により80万、60万という話も耳にする。こうした状況で孫請けやそのまた下請となっている会社の収益状況は悲惨だ。
休みなくフル稼働しても利益が出ない。利益が出ないから、人材の教育投資もできない。そうすると、人のレベルが上がらず、価格で勝負せざるを得なくなり、ますます経営が苦しくなる。
そうこうするうちに技術が陳腐化し、クライアントのシステム刷新と同時に、ある日突然仕事がまとめてなくなる。
いきおい、そこに勤める社員は、自分の時間とオカネを使ってスキルアップしなければならない状況に追い込まれる。
しかし、現実は、短納期化が進んでいるため、常に目の前の仕事で手が回らない。さらに、どんなに働いても給料は増えない。そのため、スキルアップの時間もオカネもない、という悪循環である。
このため、顧客の近くにいるものだけが生き延び、単に日本語をシステム言語翻訳するだけの技術屋はどんどん隅に追いやられていく。このように二極化はますます進展していく。
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