ECMはERP市場を上回る?(2/2 ページ)

» 2005年06月13日 20時04分 公開
[堀哲也,ITmedia]
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 ECMの領域には、ポータル、コラボレーション、検索、文書管理、出力管理、アーカイブなど、約20に及ぶ技術がマッピングされる。しかし、これだけの技術をカバーできるベンダーは限られてくる。

 Open Textでは、電子文書のライフサイクルに注目し、人から情報となり、人から人への流通に着目し、それを「コラボレーション」と「コンテンツ」と分類。ワークフローや監査ログの機能だけでなく、アーカイブなどの技術を持つイキソスと業務統合し、ECMの広範なエリアをカバーできるベンダーとした。Open Textは過去3年で3倍規模に成長し、いまや「ECM市場の最大企業」と自負している。

 「これだけ広範な技術をカバーしているのはOpen Textしかない。Gartnerのマジック・クアドラントで12分野に取り上げら手いる唯一のECMベンダー」とジェンキンス氏は話す。

アーカイブだけではコンプライアンスにならない

 ECMに取り組む企業の傾向は、電子文書のアーカイブ部分から取り組むケースが多い。多くの規制が、文書としての保存を求めているからだ。しかし、「アーカイブさえしてあれば、法令に準拠できると思っているが、そういうものではない」と指摘する。

 電子文書のライフサイクルから言えば、保管・廃棄といったお尻の方から取り組みを行っていくこととなり無理が生じてくる。「情報がどこで作られたのかかが分からなくなる」と、提出を求められたときに探すのが難しくなったり、監査の際に文書がどこで変更されたのかを証明できなくなるからだ。理想的には、文書が生成されるところから取り組みを行うのがいいという。

 Open Textでは、1アプリケーションの1部門から全部門へと取り組みを広げ、次のアプリケーションへと進めていく手法を薦めている。しかし、「企業によって状況は異なる。どのように取り組んでいくかの解決策は、残念ながらその企業にしか分からない。ただ、同社はたくさんのユーザー事例をもっており、お手伝いはできるはずだ」(ジェンキンス氏)。

 同社は最近になって、ECMの概念から導入方法までを3冊に及ぶ書籍にまとめており、参考になる。

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