CPM実現へ経営視点の情報活用基盤を整備するコグノス

ビジネスインテリジェンスのリーダーであるコグノスが「CPM」のビジョンを掲げ、製品ラインを拡大を図っている。6月下旬、フロリダ州オーランドで開催される「Cognos Forum 2005」では、今年後半に登場する次期製品群がスニークプレビューされるという。

» 2005年06月20日 23時00分 公開
[ITmedia]

 「今、ウチの売り上げはどうなんだ?」

 「なぜ、予算どおりにいかないんだ?」

 「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 あなたがある会社の幹部だとすると、経営者があなたに聞いてくるのは、たいていこの3つの質問に尽きるのではないだろうか。そして、多くの企業ではそのたびに上を下への大騒ぎとなり、膨大なExcelシートが作成されることになる。それは基幹業務のシステム群を整えたIT投資に熱心な企業といえども、そこから生まれたり、蓄積されたりした情報をより良い意思決定のために活用する手立てが部門ごとにばらばらなままだからだ。

 「Cognos PowerPlay」によってOLAP(OnLine Analytical Processing:オンライン分析処理)の市場を長年リードしてきたコグノスが、「CPM」(Corprate Performance Management:企業業績管理)のビジョンを掲げ、ここへきて製品の幅を拡大している。現状、部門にとどまっているレポートや意思決定支援といった情報の活用、すなわちビジネスインテリジェンス(BI)を顧客が企業全体へと広げ、企業の価値を増大させる真の意思決定支援システムを構築できるようにするのが狙いだ。

 昨年、市場投入された「Cognos ReportNet」は、数万人規模のエンタープライズ環境でも耐え得るようコグノスが新たに開発したレポートとクエリのためのソリューション。LDAPやActive Directoryといった既存の認証システムを活用し、ユーザーの権限に応じたアクセス制御も可能だ。マルチデータソースを取り込むメタデータ管理機能やポータル機能もそなえ、企業全体のBI、さらにはその先のCPMのビジョンを実現する基盤製品といえる。

 「ばらばらの情報を集めてもすべてがガベージ(ごみ)になってしまうだけ。情報活用の基盤としてReportNetを導入すれば、経営視点での単一のビューを実現できる」と話すのは、コグノスの内田雅彦エリアバイスプレジデント。

 「しかも、無理やりデータベースは統合する必要はない。情報を活用する基盤を標準化すればいい」

基盤で情報統合、一連のアプリは透過的に情報活用

 既に多くの企業でERPやCRMの整備が進み、過去から今日に至る情報は蓄積されている。IT業界がこぞってBIソリューションの強化に乗り出した背景には、企業がこうした情報の活用を考えあぐねているという現状がある。

 「さらに将来を読むには、もうひとひねりが必要になる。つまり、基盤で情報を統合し、その上で一連のアプリケーションがシームレスに情報を活用できなければならない」と内田氏。

 CPMはプロダクトではなく、ビジョン、つまりモノの考え方だ。一般には「PDCA(plan-do-check-act)サイクル」の方が分かりやすいかもしれない。計画、実行、評価、改善というプロセスを繰り返し、質を高めていく業績管理手法と言っていい。コグノスのCPMビジョンでは、「モニタ」「分析/レポート」(BI)、および「計画」がサイクル上に当てはめられ、それぞれ情報を活用する一連のアプリケーションが提供されている。

 モニタは「Cognos Metrics Manager」が担い、スコアカードやダッシュボードの機能を提供する。分析/レポートは実績のあるPowerPlayと新しいReportNetが、そして計画はシミュレーションと予実管理/計画機能をそなえる「Cognos Planning」がそれぞれカバーする。

 もちろん、これら現行のCognosシリーズ7を組み合わせることによってCPMビジョンは実現できるが、今年後半に発表が予定されている次期バージョンでは製品間の統合がさらに進むものとみられている。

 6月26日からフロリダ州オーランドでユーザーカンファレンス「Cognos Forum 2005」が開催され、ロブ・アッシュCEOのキーノートで次期バージョンがスニークプレビューされるという。

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