Oracle、JavaOneでSOA構想を披露

OracleはJavaOne Conferenceにおいて、SOAの構築/管理に向けた同社の構想とソリューションについて説明した。

» 2005年06月30日 20時53分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Oracleのトーマス・クリアン上級副社長は6月28日夕方、JavaOne Conferenceでプレゼンテーションを行い、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の構築/管理に向けたOracleの構想とソリューションについて説明した。

 同社の「新アプリケーション構想」の柱となるのは、ユーザーインタフェースを作成するための「JavaServer Faces」(JSF)、ビジネスプロセスを記述するための「Business Process Execution Language」(BPEL)、そしてビジネスロジックを開発するための「Enterprise JavaBeans(EJB)3.0」である。

 クリアン氏によれば、この構想には、「Web Services Invocation Framework」および「Java Business Integration」規格を通じてレガシーシステム/アプリケーションと連携するという計画も含まれる。アプリケーションの開発/修正のための共通ツールセットも提供するという。

 「この構想は、先進的な素晴らしいアプリケーションの開発を可能にする。われわれはこれを動的なサービス指向アーキテクチャと呼んでいる。Oracle Fusionミドルウェアプラットフォームには、本日披露したSOA関連技術のすべてが含まれる」(クリアン氏)

 クリアン氏は、エンタープライズサービスバスとアプリケーションサーバの上にBPELが置かれ、「Web Services Security」規格がセキュアなビジネスプロセスを提供するアプリケーションスタックをスライドで紹介した。

 Oracleの戦略に不可欠な歯車が、オブジェクトパーシステンスを実現するためのJSFとEJB 3.0である。

 「EJB 3.0はものすごい可能性を秘めている。大幅に簡素化されることにより、すべてのJavaデベロッパーがEJBを利用できるようになると確信している」とクリアン氏は語る。

 「JSFはユーザーインタフェースのためのコンポーネントモデルを提供する。宣言的にページを作成し、各ページをページフローに結び付け、ブラウザ用プラグインがなくてもこれらのページをクライアント上で対話的にレンダリングすることができる」(同氏)

 このプレゼンテーションを見た参加者の中には、JSFに関心を示す人もいた。

 ブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるCredit Union Central of British Columbiaのソフトウェアアーキテクト、イーゴリ・ステルマシェンコ氏は、「OracleのJDeveloperとJSFを使ってリッチなインタフェースを作成する方法を説明したプレゼンテーションに深い感銘を受けた」と話している。

 ステルマシェンコ氏はまだJSFを使っていないが、今後利用するつもりだという。同氏は現在、JavaServer Pagesのサーブレット、Struts、タグライブラリを使用している。同氏の会社では、SOAのコンポーネントを使って、顧客とのコミュニケーション用のWebサービスを配備しているという。

 Oracleは6月29日、Sun Microsystemsと共同でEJB 3.0規格の策定にあたると発表した。Oracleでは、「Reference Implementation for Java Enterprise Edition 5.0」でパーシステンス技術も提供する予定だとしている。新しい「Java Persistence」APIのインプリメンテーションの提供は、Java開発を容易にするのが目的だという。

 リファレンスインプリメンテーションは、Javaオブジェクト-リレーショナルツール/配備プラットフォームの「Oracle TopLink」をベースとする。

 さらにOracleは、リファレンスインプリメンテーションのコンポーネントをSunの「Project GlassFish」に寄贈する予定だ。Project GlassFishは、「Java Enterprise Edition 5.0 Software Developer's Kit」のオープンソースインプリメンテーションである。

 またOracleは、オープンソース組織であるEclipse Foundation内で同社がBPEL用ツール開発プロジェクトを率いることを提案する予定だ。

 Oracleでは、Eclipse Public Licenseの下でオープンソースのBPELツールの開発に協力する考えだ。このツールは、「Oracle BPEL Process Manager」および「BPEL Designer」ツールで用いられている技術をベースとする。

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