「あれ? 先月こんなに使ったっけ?」――ある日突然筆者に降りかかったカード不正利用の顛末。
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「あれ? 先月こんなに使ったっけ?」
クレジットカードの「ご利用代金明細書」を見てこんな疑問を抱いたならば、利用履歴を詳しく調べてみたほうがいい。毎月の通信代や電話代に混じって身に覚えのない請求がないとも限らないからだ。
この記事では、ある日筆者に降りかかったカード不正利用の顛末を紹介したい。スキミングや個人情報流出が原因となって、不正利用が自分の問題になったときに「こんなケースもあったな」と参考になれば幸いだ。
3月下旬。筆者はいつものように、自宅に届いたカードの利用代金明細をみるともなく見ていた。支払金額が10万を超えている。「あれ? こんなに使ったっけ?」と明細を見ると
17.2.21 AMZ*SUPERSTORE(AMAZON.COM) 36209
とある。ここ半年ほど、米Amazon.comを使った記憶はない。しかもAmazon.comでの買い物といえば本かDVDくらいなので3万以上の買い物をしたことはない。そもそも「AMZ*SUPERSTORE」って何だ?
いちおうAmazon.comの履歴やメールを確認してみたが、やはり半年以上Amazon.comを利用した形跡はない。それではと思いAmazon.comのサイトで「SUPERSTORE」なるものを探してみたが、よくわからない。
「……これって不正利用ってことですか?」
まずはカード会社に問い合わせることにした。「お客様問い合わせ番号」に電話をかけ、利用した記憶のない請求がある旨を告げたところ「日本のアマゾンの請求ではないですか?」という。
Amazon.co.jpの請求は日本語で書かれていないため確かに勘違いしやすい。けれど、その不明な請求の下にAmazon.co.jpの請求があり、この2つが異なることがわかる(上図参照)。
そのように説明したのだが、カード会社からは「まずアマゾンに問い合わせていただけませんか」とAmazon.co.jpのサポートの電話番号を教えられた。当然日本の番号だ。
「あの〜、請求元は米国のAmazonのようなんですけど、日本に問い合わせてわかるんですか?」と聞くと「わかります」との回答。Amazon.co.jpで米国の注文についてわかるはずがないとは思うが、こういうケースへの対応のため、日本語による米国法人窓口でも用意されているのかもと思い直してそこに電話をかけてみた。
が、結果は当然ながら「米国のAmazonのことはわかりません。カード会社がこちらに聞くように言ったんですか?」だった。
そりゃそうだろうと納得しつつ、「このSUPERSTOREというのが何なのかがわからないんで、調べようがないんですよ」と告げると、「米国のことなので断言できませんが、日本のマーケットプレイスのショップのようなものではないでしょうか」という。
しかし、そうアドバイスをもらったところで、わからないことには変わりはない。
米国に問い合わせようにも、注文番号はおろか「いつ、何を、どこで」買ったのかがまったくわからないのだから、問い合わせのしようがないのだ。
困ったなと思いつつ、再度カード会社に電話をかけてさっきの担当者を呼んでもらい、米国のことはわからないと言われた旨を告げると、「わかりました。では、使用のない請求が来たということで支払わない手続きをとります」
え、そうなの? あまりの急展開で拍子抜けした。
「申し訳ないのですが、今回の支払いでは間に合わないためいったん引き落とされてしまいますが、次回請求の際にお返しいたしますので」とのこと(ここで「次回」の文字をグレーにしたのにはわけがある。後ほど述べる)。
「カード番号が盗まれている可能性がございますので、カードを作り替えてもよろしいでしょうか?」。もちろん、こちらからお願いしたいくらいだ。
「また、その際、別の担当から日中確認のため、お勤め先にお電話差し上げることがあると思いますが問題ございませんか?」と、勤務先の電話を確認して電話は終わった。
どうやって米国に問い合わせればいいのか悩んでいたのが、あっけなく終わってしまっ。特にこちらで買っていない証明をしなくても、いいのか? 実は買ったのに買ってないと言い張っても同じ結果になるんじゃないだろうか、などと余計なことを考えてしまった。
ま、なにはともあれよかったよかった。
そして1カ月後の4月末。カードの利用代金明細を見ると、返金されている形跡はなかった。
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