VMware、デュアルコアサーバ用の仮想化ソフトウェアを投入へ

VMwareは近々、同社の仮想化ソフトウェア「VMware GSX」「同ESX Server」などでデュアルコアサーバをサポートする計画だ。

» 2005年07月19日 16時19分 公開
[IDG Japan]
IDG

 VMwareは、サーバ仮想化ソフトウェアでデュアルコアシステムをサポートする準備を進めている。この製品では、個々のコアに対して価格を設定するのではなく、ソケット単位(すなわちCPU単位)に基づく価格方式を採用する予定だという。

 VMwareで戦略・市場開発担当シニアディレクター、ラグー・ラグーラム氏は、「ユーザーは、デュアルコアシステムが提供する高い処理能力を(シングルコアサーバの場合と)同じコストで利用できるようになる。つまり、より高い費用効果が得られるということだ」と話している。

 ラグーラム氏によると、数週間後にリリース予定の「VMware GSX Server 3.2」は、デュアルコアサーバを初めてサポートするVMware製品となるもの。その後すぐに、「VMware ESX Server」および同社の管理製品である「VirtualCenter」でもデュアルコアサーバをサポートする予定だという。「VMware Workstation」は、デスクトップ用のデュアルコアプロセッサを既にサポートしている。

 デュアルコアサーバは、各CPU上に2つのプロセッシングコアを搭載する。このアーキテクチャは、消費電力と発熱を抑制しつつ、パフォーマンスを高めるための手法としてチップメーカー各社が採用を進めている。シングルコアチップの動作周波数を上げるのではなく、消費電力の少ない複数のコアを1個のシリコンチップに搭載することによって処理能力を高めるという方法だ。

 IBMは2001年以来、デュアルコアRISCチップを提供している。SunとHPは昨年初め、デュアルコアRISCプロセッサを発表した。AMDは今年の4月にデュアルコアOpteronを投入。デュアルコアPentiumプロセッサを今年投入したIntelでは、年末までにデュアルコアItaniumプロセッサをリリースし、その後すぐにデュアルコアXeonをリリースする予定だ(関連記事)

 Gartnerの予測によると、システムベンダーの間でデュアルコアシステムが標準になるのに伴い、早ければ来年にもチップメーカー各社がシングルコアプロセッサの生産を中止する見込みだという。デュアルコアシステムがどれだけ早く企業ユーザーに受け入れられるかは、ISV(独立ソフトウェアベンダー)がデュアルコアプラットフォーム用のソフトウェアの価格をどのように設定するかによって大きく左右される。

 VMwareはほかのベンダーと同様、コア単位ではなくソケット単位の価格設定方式を採用した。IBMとMicrosoftも既に、デュアルコアx86システムについてソケット単位で価格を設定するという方針を発表した。これまでコア単位の価格設定を採用していたOracleも最近、ライセンスポリシーを変更した(関連記事)。同社では今後、各コアを1つのプロセッサと見なすのでなく、各コアがプロセッサの75%に相当すると見なしてソフトウェアライセンスの価格を設定する方針だ。

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